半ば予想していたことだが、佐藤知事は東電の社長に第一原発の六号機運転再開を認めたようだ。国のエネルギー対策の根底からの見直しを迫って、政治生命を賭ける政治家などいないのだろう。まあ、ここまでよくやったと褒めるべきか。いやいや、間違ってもそんなことはしません。原子爆弾やチェルノブイリの悲劇を経験してもなお、経済や暮し向きのことだけしか考えない人が、たとえばこの福島県でも半数以上いるという苦い現実があり、それを考えると徒労感に襲われるが、でも絶望はすまい。それにしても明日はその原発の側を通って義母を訪ねなければならない。
 この梅雨空の下では元気も出ないが、今日久しぶりにカストロの『葛藤の時代』の訳稿を取り出してみた。せっかく訳し終えたのだから、なんとか出版までこぎつけよう。ともかく毎日訳稿を見て、徐々にやる気を出そう。

佐々木 孝 について

日本のスペイン思想研究者。1939年北海道帯広市生まれ。2歳から引き揚げまでの5年間を旧満州で暮らす。1961年上智大学外国語学部イスパニア語学科在学中にイエズス会に入会。6年間の修道生活の後、1967年同会を退会、還俗する。同年上智大学文学部哲学科卒業。1971年清泉女子大学講師、助教授を経て、1982年教授となる。1984年常葉学園大学(現・常葉大学)でスペイン語学科の草創に参加。1989年東京純心女子短期大学・東京純心女子大学(現・東京純心大学)教授。その間、講師として専門のスペイン思想、スペイン語を東京外国語大学、駒澤大学、法政大学、早稲田大学などの大学でも教える。2002年、定年を前に退職、病身の妻を伴い福島県原町市(現・南相馬市)に転居。以後16年にわたり、富士貞房(ふじ・ていぼう、fuji-teivo、――スペイン語のfugitivo「逃亡者」にちなむ)の筆名で「モノディアロゴス(Monodiálogos: ウナムーノの造語で「独対話」の意)」と題したブログを死の4日前まで書き続けた。担当科目はスペイン思想、人間学、比較文化論、スペイン語など。作家の島尾敏雄は従叔父にあたる。2018年12月20日、宮城県立がんセンターで死去(享年79)。
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