昨夜十時のスーパーひたちで帰ってきた娘は、正月八日の定期検診まで帰京すればいいらしく、久しぶりになんのノルマもない年越しが出来ると、嬉しくてしょうがないようだ。それがこちらにも伝染してきて、今年はなんだかゆったりした気分で正月を迎えられそうだ。
 小学館から『スペイン語辞典』第二版の第五刷が一冊届いた。みみっちい話だけれど、こうして一年に2回ほど増刷される本に関わって、その度に何がしかの印税が入るというのは、歳を取ってみるとありがたいものだ。だからというのはちょっとえげつない言い方だが、思いがけなく途中から編集委員に入れてくださった T教授には感謝している。
 相変わらず暇をみては『モノディアロゴス』の校正を続けている。書いている時はそうは思わなかったが、1年間よくもまあ毎日書いたものだと、我ながら感心している。今日からまた続けよ、と言われたとしても、その元気はどうしても出てこない。頑張ってよかったとつくづく思う。

佐々木 孝 について

日本のスペイン思想研究者。1939年北海道帯広市生まれ。2歳から引き揚げまでの5年間を旧満州で暮らす。1961年上智大学外国語学部イスパニア語学科在学中にイエズス会に入会。6年間の修道生活の後、1967年同会を退会、還俗する。同年上智大学文学部哲学科卒業。1971年清泉女子大学講師、助教授を経て、1982年教授となる。1984年常葉学園大学(現・常葉大学)でスペイン語学科の草創に参加。1989年東京純心女子短期大学・東京純心女子大学(現・東京純心大学)教授。その間、講師として専門のスペイン思想、スペイン語を東京外国語大学、駒澤大学、法政大学、早稲田大学などの大学でも教える。2002年、定年を前に退職、病身の妻を伴い福島県原町市(現・南相馬市)に転居。以後16年にわたり、富士貞房(ふじ・ていぼう、fuji-teivo、――スペイン語のfugitivo「逃亡者」にちなむ)の筆名で「モノディアロゴス(Monodiálogos: ウナムーノの造語で「独対話」の意)」と題したブログを死の4日前まで書き続けた。担当科目はスペイン思想、人間学、比較文化論、スペイン語など。作家の島尾敏雄は従叔父にあたる。2018年12月20日、宮城県立がんセンターで死去(享年79)。
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