スーパーで買ったお昼の弁当をどこか景色のいいところで食べようと思いながら、なかなかいいところが見つからず、とうとう大熊町に入ってしまった。こうなれば贅沢は言えず、幹線から脇道に入ってしばらく行った空き地に車を止めた。ちょっとわびしい感じもしないでもなかったが、今日は文句のつけようもない秋晴れ、遠くに見える山でも眺めながら食べることにした。
その空き地の道路に面した角地に広告塔が立っているのに気づいた。土台はアルミ製のかなり立派な広告塔なのだが、そこに書かれている標語みたいなものを見て、とたんに気分が悪くなった。
「地球にやさしいエネルギー原子力
人間にやさしい大熊町」
おいおいいつから原子力が地球にやさしくなったんだい。現今ではタバコでさえ「健康に悪い」と書かなければならない時代、どうしてこんなまやかしの言葉がまかり通っているんだ。せめて「油断すると地球を破壊して子々孫々までの禍根を残してしまいます。監視を怠らないようにしましょう」くらいの言葉を書いとけよ。
標語の横にこう書かれていた。
「平成九年度 広報・安全等対策交付金事業」
つまりこれは国の交付金で立てたというわけ、まさか! それとも東京電力の?
いや交付金というからには、国のでしょう?
事故隠しの前に書かれたこんな標語、恥じらいもなくよくもまあいけしゃあしゃあと。
Please follow and like us: