気宇壮大な初夢


 今日は日曜。私にとっては毎日が休日あるいは祝日のような日常だが、訪問入浴や排便ケアのない日は、ちょっとほっとする。年末年始であっても美子の世話をしてくださるヘルパーさんや訪看さんがこれを見ると憤慨するかも知れないが、私としては何もしないようでいて、これでも下着を揃えるとか臀部の…のためのお湯の準備とか、何かと準備しなければならず、それが無い日は自分だけのペースで介護できるありがたい休日なのだ。
 いやこんなことを書くとヘルパーさんたちよりももっとがっかりするのは娘であろう。つまり本当なら今日から里帰りのはずだった娘と二人の孫たち(小4と小2の男の子)だが、一昨日から娘が熱を出してしまったので、今回の里帰りは取りやめになって、実は内心ほっとしているのだ。
 いや誤解しないで欲しいが、娘たちが来ることを心から楽しみにしていたのは本当なのだが、ようやく慣れてきた介護のペースが一時的にでも狂うことを心のどこかで心配していたことも事実。つまりそれだけ余裕のない日を送っているわけ。
 しかし今日の午後は、そんな中でもとても充実した午後となった。つまりオルテガの翻訳について相談に来た辻君と、パソコンの操作指導に来た■■がばったり鉢合わせ。これはいい機会とばかり貞房先生、メディオス・クラブのことやサンプラスイチ語学塾についての持論を滔々と弁じ始めたのである。そしてついには妄想へと突入する。つまり我が家から金網のフェンス越しに見える二階建ての建物、かつての会計事務所、今はなにやら復興関係の事務所に使われているらしい建物を指して、あれを将来サンプラ学院(サンプラスイチの省略形)のために購入するか借りる手もある、いや我が家へ入ってくる路地の入り口、すなわち教会幼稚園の隣りの元NTTの二階建ても、現在は何にも使われていないようだから、あれを買うか借りるかする手もある、などと語り始めたのである。
 妄想? そうかも知れない。でもそれが初夢なら、いつか実現する正夢でないと誰が確言できる?
 ともあれ、それは西内事務局長の辣腕に期待しよう。そして君たちはそれぞれの特技を生かして強力なタッグを組んで欲しい。■■はコンピュータ部門で、そして辻君は哲学思想部門で、そして今はここにいないI君は映像部門で。かくて最強の若手三銃士のそろい踏みとなる。
 そう、夢を語るにゼニは要らぬ。そして怖(お)めず臆せず夢を語り続ければいつかそれは現実となる。このくらいの意気込みで頑張らなきゃ。
 両君、初めのうちはまたまた貞房先生のホラ話と思っていたかも知れないが、そのうち満更でもない顔つきに変わってきた、と見るのは貞房先生の僻目(ひがめ)か……

 ともかく、こいつぁ春から縁起が良いわい!!!

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佐々木 孝 について

佐々木孝(ささき・たかし) 1939年北海道帯広市生まれ。2歳から引き揚げまでの5年間を旧満州で暮らす。1961年上智大学外国語学部イスパニア語学科在学中にイエズス会に入会。1962年同学科卒業。5年間の修練生活の後、1967年イエズス会を退会、還俗する。同年上智大学文学部哲学科卒業。1971年清泉女子大学講師、助教授、1982年教授となる。1984年常葉学園大学でスペイン語学科の草創に参加。1989年東京純心女子短期大学・東京純心女子大学(現・東京純心大学)教授。その間、東京外国語大学、駒沢大学、法政大学、早稲田大学などでも非常勤講師を務める。2002年定年を前に退職、病身の妻を伴って父祖の地・相馬(福島県南相馬市)に転居。以後16年にわたり「モノディアロゴス(Monodiálogos: ウナムーノの造語で「独対話」の意)」と題したブログを死の4日前まで書き続けた。担当科目はスペイン思想、人間学、比較文化論、スペイン語など。2018年12月20日、小細胞肺がんのため宮城県立がんセンターにて死去(享年79)。
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1 Response to 気宇壮大な初夢

  1. 守口 毅 のコメント:

    佐々木兄い どの
    明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
    新年早々、話が膨らんでまんなあ。お宅にお邪魔している我が身にとっては、NTTのビルも教会幼稚園も土地勘が働き、楽しい限りです。私は東京で静かな正月。箱根駅伝の青学大の快挙がまぶしくて、自分のことと言えば老母の日々の世話に年初めからいよいよスカトロジーが加わってきました。徐々に弟妹にもいちいち説明する気にならない、手助けを頼む気にもならない心境に入り込んでいく心の傾斜。兄いの気持ちと重ね合わせて、よーし、明るく行くぞ!の心構えです。
    いま、オルテガ、ウナムーノを貴書から拾い読みしながら、<生の全的なる展開>ということを考えています。いろいろな領域に夢中になって入り込む私の志向を、少し前まではS親和気質として精神分裂的ととらえておりましたが、兄いの本から、”与えられた生の中で自分自身に内的に全面展開している”と捉えてみようかと思っているのです。またまた独りよがりでしょうが、70の古希で、なかなか面白いことになるやもしれません。またご指導ください。
    守口 拝

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