予定通り、朝六時半、I君ご夫妻が車で迎えに来る。クッキーに早めの朝食をやったらぺろりと平らげてしまったけれど、お昼ご飯を置いておくとそれも食べしまうかも知れぬので、今日は帰ってくるまで我慢してもらうことにした。猫たちにはいつもの通りのご飯を少し多めに置いたので、こちらは心配無し。
大型車はさすがに静かである。グロリアかなと思っていたら、クラウンである。あの山村聡がコマーシャルをやっていた車である。抜群の安定性。しかし聞いてみると、これは単なる贅沢ではなく、毎日曜、須賀川の娘さん宅に行かねばならないから、疲れが残らないためにはどうしても大型車が必要らしい。
川俣から福島、土湯温泉を通って磐梯山に登る。途中見事な紅葉のパレードだが、頂上に近付くに連れて白樺が増え、ついにはまるで恐山(行ったことはないが)のような土色の山肌が露出していた。浄土平で休んだが、お釜にはあまりの寒さに恐れをなして登らなかった。天気晴朗なりだが、風がものすごく冷たいのだ。
それから猪苗代湖に向かった。福島県人ながら、実は中通も会津もまったく知らないのである。I君に誘われなかったら、まだまだ行くことはなかったであろう。猪苗代町でガラス館(?)を見物したあと「野口英世記念館」に寄った。新千円札のこともあって、観光客の流れが引きも切らぬようだ。彼の生家や展示物を見たあと、近くの清作(英世の幼名?)庵という蕎麦屋で昼食を食べて、磐越自動車道を通って郡山に出、東北自動車を走って二本松経由で帰路についた。二時近くに帰宅したが、こんな短時間に猪苗代湖まで行けたとはとても信じられない。
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※本文中の太字、朱書き、アンダーライン、マーカー等の処理はすべて、死後、息子によって為されたものです。
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