今日の午後、初めて暑さを怖いと感じた。ネットで調べた限りでは、原町は最高気温32度であったが、昨日も今日も、少なくともわが家の二階で感じた体感温度は36度超えている。午後2時過ぎ、どうにも我慢ができなくなって、廊下を隔ててすぐの八畳の間に美子と一緒に逃げ込んだ。幸い、先日、川口の娘一家のために、エアコンを直してもらっていたのが幸いした。
もしその部屋のエアコンが壊れていたら、どうなっただろう。外に涼を求めることもできないから、車に逃げ込んだろうか。まさか自分たちが熱中症になるとは思わなかったが、しかし初めて暑さを怖いと思った。暑さに対してこんな恐怖心を抱いたのは、人生初めての体験である。
夕方近くになってようやく暑さも少し和らいだので、また自分たちの居室に戻った。健気に涼風を送ってくれる小さなクーラーの効果を出すために、今まで使っていた扇風機をクーラーの横において、そのわずかな涼風が居間まで届くように工夫した。代わりに居間には隣の部屋から古い扇風機を運んできた。重い旧式の扇風機だが、風の量はずっと多いように感じられる。
天気予報を見てみると、ここ一週間はまだ暑さが続くようだ。明日も午後は隣の部屋に避難しなければならないのだろうか。思わず愚痴っぽくなってしまったが、クーラーもなく、風通しも悪く、おまけに西日が強く当たるアパートなどに住む老人たちは、どうやってこの暑さに耐えているのだろう。今日の午後私が感じた恐怖を、四六時中感じているとしたら…どうかこの暑さが一日も早く遠のいてくれますように!
-
※本文中の太字、朱書き、アンダーライン、マーカー等の処理はすべて、死後、息子によって為されたものです。
キーワード検索
投稿アーカイブ
-
最近の投稿
- 再掲「双面の神」(2011年8月7日執筆) 2022年8月25日
- 入院前日の言葉(2018年12月16日主日) 2022年8月16日
- 1968年の祝電 2022年6月6日
- 青山学院大学英文学会会報(1966年) 2022年4月27日
- 再掲「ルールに則ったクリーンな戦争?」(2004年5月6日執筆) 2022年4月6日
- 『或る聖書』をめぐって(2009年執筆) 2022年4月3日
- 【ご報告】家族、無事でおります 2022年3月17日
- 【3月12日再放送予定】アーカイブス 私にとっての3・11 「フクシマを歩いて」 2022年3月10日
- 『情熱の哲学 ウナムーノと「生」の闘い』 2021年10月15日
- 東京新聞コラム「筆洗」に訳業関連記事(岩波書店公式ツイッターより) 2021年9月10日
- 82歳の誕生日 2021年8月31日
- 思いがけない出逢い 2021年8月12日
- 1965年4月26日の日記 2021年6月23日
- 修道日記(1961-1967) 2021年6月1日
- オルテガ誕生日 2021年5月9日
- 再掲「〈紡ぐ〉ということ」 2021年4月29日
- ある追悼記事 2021年3月22日
- かけがえのない1ページ 2021年3月13日
- 新著のご案内 2021年3月2日
- この日は実質父の最後の日 2020年12月18日
- いのちの初夜 2020年12月14日
- 母は喜寿を迎えました 2020年12月9日
- 新著のご紹介 2020年10月31日
- 島尾敏雄との距離(『青銅時代』島尾敏雄追悼)(1987年11月) 2020年10月20日
- フアン・ルイス・ビベス 2020年10月18日
- 宇野重規先生に感謝 2020年9月29日
- 保護中: 2011年10月24日付の父のメール 2020年9月25日
- 浜田陽太郎さん (朝日新聞編集委員) の御高著刊行のご案内 2020年9月24日
- 【再録】渡辺一夫と大江健三郎(2015年7月4日) 2020年9月15日
- 村上陽一郎先生 2020年8月28日
- 朝日新聞掲載記事(東京本社版2020年6月3日付夕刊2面) 2020年6月4日
- La última carta 2020年5月23日
- 岩波文庫・オルテガ『大衆の反逆』新訳・完全版 2020年3月12日
- ¡Feliz Navidad! 2019年12月25日
- 教皇フランシスコと東日本大震災被災者との集いに参加 2019年11月27日
- 松本昌次さん 2019年10月24日
- 最後の大晦日 2019年9月28日
- 80歳の誕生日 2019年8月31日
- 常葉大学の皆様に深甚なる感謝 2019年8月11日
- 【再掲】焼き場に立つ少年(2017年8月9日) 2019年8月9日
- 今日で半年 2019年6月20日
- ある教え子の方より 2019年5月26日
- 私の薦めるこの一冊(2001年) 2019年5月15日
- 静岡時代 2019年5月9日
- 立野先生からの私信 2019年4月6日
- 鄭周河(チョン・ジュハ)さん写真展ブログ「奪われた野にも春は来るか」に追悼記事 2019年3月30日
- 北海道新聞岩本記者による追悼記事 2019年3月20日
- 柳美里さんからのお便り 2019年2月13日
- かつて父が語っていた言葉 2019年2月1日
- 朝日新聞編集委員・浜田陽太郎氏による追悼記事 2019年1月12日
- 【家族よりご報告】 2019年1月11日
- Nochebuena 2018年12月24日
- 明日、入院します 2018年12月16日
- しばしのお暇頂きます 2018年12月14日
テイボー先生、こんばんは!本当に毎日毎日これでもかってくらい
暑い日々が続いていますね。わたしたちも山に移って昼も夜も扇風機を
かけっぱなしというのは20年来初めてです。まさに異常気象のまんなかを
わたしたちは生きているということでしょうか。先日ニュースで中国も
酷暑で、なんとござを持ってクーラーのきいたデパートへ行って
階段の踊り場などで親子でお昼寝してるのですって。すごいと思ったけど
でも、もしか日本でそんなおおらかな対応があれば風通しの悪いクーラーも
ない狭いアパートで熱中症で亡くなる人はいなくなるでしょうね。
まだまだ暑い日が続くそうです、先生も奥さまもどうかご自愛くださいね。
佐々木先生
先生熱中症などと、失礼とは思いますが、冗談になりません。 どうぞバケツに水を入れられたものを傍におかれタオルを入れられ首やお体を冷やして下さい。 クーラーはもちろんつけっぱなしです。 水分も電解質のものアクエリアス、ポカリスエットを少しずつ30分おきに飲んでください。わたしは小牧でもう7月の半ばごろからずうっと35度~38度の毎日に怒りさえ
覚えながら毎日を過ごしています。暑さは怖いです。外にも日中できるだけでません。どうぞ
ご自愛くださいませ。
ミチルさんにユイコさん、と書き出して、あれっこのお二人もちろんお互いあったこともないはずなのにどこか似ている、名前が片仮名だけでなく、性格も。そう、いいお友だちになれます。お暇のときお互いを訪問なさっては。
それはともかく、この老夫婦のことご心配いただき、ただただありがたく思います。おかげさまで無事窮地を脱したようです。今日はだいぶ気温が下がりました。もちろん今後も油断しないで涼しい秋を待ちます。そちらはまだまだ暑さが続くはず、どうぞ体調管理に注意なさって、実りの秋をお迎えください。