実は右のコメント欄に投稿している佐々木博さんは、何を隠そう、仙台在住のカトリック神父であるわが兄です。メールではなくコメント欄への初めての投稿なのでびっくりしましたが、嬉しいことには変わりがありません。彼に対して他人行儀に返事を書きましたが、松本昌次さんのことなど皆さんにもお知らせしたほうがいい内容なので、そっくりこちらに移します。
タイトルの意味は、真の謝罪と許しとは、などと柄にもないことを書きましたので、その照れ隠しです。以下がその返事です。
わたし自身は実は大統領の演説を(あまりに馬鹿らしくて)読んでないのですが、(これからも読むつもりはありません)、埴谷雄高さんの全エッセイ集などを出した未来社の、そして現在は影書房の社主である松本昌次さんが、大統領の演説を手厳しく見事に批判してます。まず冒頭の「死が空から降ってきた」という表現のいかがわしさ。「その証拠に、オバマ大統領は、核攻撃の承認に使う機密装置を持った軍人数人を同行させていたのです。「核なき世界」を滔々と演説しながら、一方で、いつでも核攻撃が可能な「核のボタン」を、事もあろうに、広島の平和公園に持ち込んでいたのです。」(その黒い大きなバッグの写真が載ってます)。
安部首相をはじめとする現政権が大統領に謝罪を求めないのは、自分たちが先の大戦で、特に東南アジアの人びとに与えたとてつもない罪を糊塗するためです。つまり大統領に謝罪を求めたら、その返す刀で自らを窮地に追い込むことを恐れるからです。しかし真の「謝罪」と「許し」は、犯した罪に双方が真正面から向き合い、その罪性(日本語にはない言葉ですが)を真摯に認め合ってこそ成立するはずです。
ともあれ松本さんのブログをお時間のある時にでもご覧ください。
松本昌次のいま、読みつぎたいもの : 「オバマ米大統領広島演説」批判
★ 6月12日現在の豆本歌詞集状況 撒布済み 756冊 在庫数 318冊 計1,074冊
今回のオバマ大統領の広島訪問でのスピーチは確かに「核なき世界」を強く訴えていましたが、核兵器廃絶は日暮れて道遠しの感は否めないというのが私の率直な感想です。ムヒカさんが人間の意識改革の必要性を言われていましたが、アメリカ、ロシア、中国などの核保有大国が富国強兵路線を改めない限り困難だと思います。人間の幸福という根源的な問いに対して自分たちの国だけが強くて豊かな国であれば幸福は得られるのかということです。貧しい人や国が存続する限りそこに不満因子が燻り、テロの温床になっているのは事実です。豊かさというのは他者(他国)と共に分かち合ってこそ心身共に実感できるものじゃないでしょうか。強さというのも武力ではなく弱い立場で生きてきた人たちに温かな手を指し伸ばすことではないですか。人は一度限りの人生で、しかも明日はわからない日々不安をどこかで抱えて生きていかなければなりません。そういう偶然に生かされている自分を深く考えれば、自ずとどう生きるかが見えて来るように思います。
私はある時、若いころではなく、人間のエゴから発する全てのものは決して長続きしないものだと気づきました。また、そこから生まれるものは破滅へと繋がっていくもののように感じます。しかし、このエゴは極めて強力で、そうわかっていても自分のエゴ(欲望)を克服することはできないものだと痛感しています。核兵器が、そういう人間のエゴのために乱用されたら人類は滅亡するでしょう。だからこそ核兵器廃絶は人類が絶対に成し遂げなければならない極めて重要な使命です。そして先生のお兄様の言葉に共感しました。
「謝罪は求めないという姿勢は崩さなかったことを残念に思うと同時に問題の根が深いことを痛感しました。」
久しぶりに、先生のモノディアロゴスを尋ねました。一度もお会いしたことはなく、地元紙(十勝毎日新聞)とドキュメンタリーで拝見しただけですが、先生の広~く深~い思考は、いつも読み始めたら止まりません。久しぶりに、先生のメッセージをFBでシェアさせていただきます。北海道十勝は、先週来の長雨で、せっかくの畑も水浸しです。お百姓さんの、額に汗し、作物を育てる労働を思うと、とかち晴れの日が戻るよう祈る思いです。お孫さんの運動会、応援に足を向けた由。先生と奥様のDNAをしっかり受け継ぐお孫さんの成長、楽しみですね。先生、どうぞご自愛の上、これからも世の中に一石を投じてください。奥様との穏やかな日々を祈りつつ。