頑張って生きていると(?)時に素晴らしい出会いに恵まれます。最近、スペインはグラナダで絵を描き続けた孤高の天才画家・戸嶋靖昌を知ったのもその一つです。そしてその画業を一堂に集めた記念館で学芸員をしている安倍三﨑さん、そして彼女を通じて、故戸嶋靖昌と親交のあった館長・執行草舟氏ともお友だちになることができました。きっかけは、だいぶ前から絶版になっていたウナムーノの『生の悲劇的感情』(著作集第三巻、法政大学出版局)が、ご自身の生き方そのものに甚大な影響を与えた思想家として愛読されてきた執行氏のご尽力で再刊され、そのうちの数冊を訳者の一人(敬愛するわが師・故神吉敬三先生との共訳)である私に贈呈してくださったのが始まりです。
戸嶋靖昌記念館(千代田区麹町 1-10、バイオテック〈株〉内、日曜と祝日は閉館。開館時間:午前11時~午後6時(※要予約)電話番号:03-3511-8162)ついては
http://shigyo-sosyu.jp/toshima/にアクセスしてみてください。(ただし5月1日から11日までは展示替えのため休館)
そして今月12日から6月10日まで、セルバンテス文化センターで「戸嶋靖昌の見たスペイン」展(日・祝日休み)が開催されます。私は執行氏からいただいた114ページもあるカタログを見て我慢(?)しますが、皆さんはぜひ足を運んで実物をご覧になってください。必ずや感動なさること間違いありません。
セルバンテス文化センター(千代田区六番町2-9 セルバンテスビル。 Tel.: 03- 5210-1800)については http://tokio.cervantes.esにアクセスしてください。
なおNHK日曜美術館で二回にわたって放映された「グラナダ 魂の画譜 戸嶋靖昌」も併せてご覧ください。
https://blog.kenfru.xyz/archive/2017/01/22
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※本文中の太字、朱書き、アンダーライン、マーカー等の処理はすべて、死後、息子によって為されたものです。
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戸嶋靖昌。こういう画家が日本にいたとは。
画壇と無縁に画業一筋に生きて生涯を終わった田中一村や矢谷長治といったいわゆる「孤高の画家」にわたしは年来惹かれてきましたが、戸嶋靖昌のことは最近になるまでまるで知りませんでした。
帰国したらセルバンテス文化センターにぜひ足を運ぶつもりです。
それにしても、『生の悲劇的感情』を久しぶりにまたひもといてみたくなりました。
佐々木先生、
澤井ゼミ長さま、
「奇跡」と申されては面はゆいかぎりです。言葉がほとんどあるいはまったく通じない異国を旅していて、このように母国語による通信が即座に可能ということ自体が、
旅の無聊を慰める大きな出来事のように思われます。
ポルトガルの料理は安くてうまいのですが、なにしろヴォリュームがありすぎて、日本人の胃袋にとってはとかく摂取過多となりがちですね。二日前、レストランでパスタを注文したところ大皿に山盛りで、どう見ても三人前はありそうでした。ワインをがぶがぶ飲んでとにかく平らげ、店のスタッフに喜ばれましたが、体重が増えること間違いなしです。
そこでかつて深大寺蕎麦に舌鼓を打った思い出を、少しばかり書きつけた次第でした。よく行った蕎麦屋は雀のお宿と言いました。深大寺の近くに住んでおられた恩師を訪ねると、かならずその店に連れて行ってくれました。
日本に帰ったら久しぶりに雀のお宿に出向いて、蕎麦のざるを頼んで、よく冷えた日本酒を飲みたいところです。
きょうはベージャからエヴォラへ約60キロ移動しました。数世紀むかし、この町に天正遣欧使節の少年たちが訪れ、一週間あまり滞在して祝福を受けたとつたえられています。
ところで、談話室がちがいますが、佐々木先生のポルトガル紀行は愉快ですね。
一種珍道中のおもむきがなきにしもあらず。以前すでに一度読ませていただいたことがありますが、現にわたしがポルトガルを旅している最中ですから、なんとなく風土の感じが分かるような気がして、懐かしさもひとしおです。
ウナムーノの『生の悲劇的感情』を昨日、池袋のジュンク堂という書店に在庫が一冊あるということで購入しました。目次を見て第一章「肉と骨の人間」、第十二章「結語 現代ヨーロッパの悲喜劇におけるドン・キホーテ」と解説を一読してみました。『モノディアロゴス』を五年余り拝読したことが、良い意味でこの本を理解するために役立つと感じています。戸嶋靖昌という画家の名前も初めて知りました。執行草舟氏のことも知りませんが、先生と出会ったご縁繋がりで一度記念館を訪ねてみようと思っています。