夕食を食べている最中、気分が悪いというのでもないのだが、なにか腹部膨満感のようなものを感じ、中断してベッドに横になった。その後、それまでぜんぜん痛くなかった歯までが痛くなり、先日もらっていた頓服を急いでのんだ。美子がしきりに心配して、肩をもんだり、叩いたりしてくれた。彼女、昔から肩もみが上手で、握力というよりつまむ力が私より強いのではないか。
昨日の失敗による屈辱感がときおりぶり返すようで、何度もパパに悪いことをした、と言いに来る。しかし私にしてみれば、そんなことはまったく意に介さないことなので、ともかく昨日のことは早く忘れて、また昔のようにな自信を取り戻すよう説得。それかあらぬか、次第に元気を取り戻してきたと思ったら、今度は私の方だ。歯と左肩のこりが関係しているらしく、美子の話だと左肩のこりは精神的なものだ、と言う。今まで心配のかけどおしだったから、こんどはパパの心配をする、と言う。なるほど、私の心配をすることで、彼女は自信を取り戻せるかも知れない。なんと麗しい夫婦愛よ!
ところで車を止めているすぐ側の木の枝に、毛虫が異常発生したらしく、食い荒らした葉っぱの滓が車の上やボンネットの上に落ち、おまけに毛虫そのものも落ち、汚いったらありゃしない。一昨日、バッパさんをセンターに送るとき、「なんだべ、町中で一番きたねーした」と言われ、乗せてもらうのに文句言うなと一喝したが、やっぱし町中で一番汚い。それで夕食前、ジャストに薬を買いに行き、帰ってきてさっそくスプレーで噴霧したのだが、そんなこんなで疲れが一挙に出たのかも。最近にないことなので、実は内心かなり動揺したのだが、このぶんでは別に心配はなさそうだ。それにしても健康であることの有難さをつくづく感じさせられた一日だった。
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※本文中の太字、朱書き、アンダーライン、マーカー等の処理はすべて、死後、息子によって為されたものです。
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