掃除機を下で使うたびに運ぶのは不便なので、昼前、美子とケーズ電気に新しい掃除機を買いに行った。小さいながら550ワットの仕事量(?)という。今までものも相当な力だったがそれでも400ワット。下の掃除に威力を発揮してくれるだろう。実はバッパさんが以前買わせられたという30何万の掃除機、なんとか使おうとしたのだが、なにせでか過ぎる。たぶん説明書も紛失したと思うが、このまま使わずに置いておくのももったいないので、バッパさんと相談して、どこかの施設にでも寄付した方がいいだろう。
 掃除機のほかにも、玄関と二階を繋ぐインターホンを買ってきたのだが、玄関から家の中のコンセントまでの配線は、素人では無理なので、明日あたりT電気店に工事してもらうことにした。今のままだと、玄関先に客が来てもまったく感知できず、バッパさんの応対ももはや無理になってきたので、どうしても必要になったのである。
 午後、もう三ヶ月以上も連絡の無いH氏に思い切って電話。体を悪くしたのだろうか、などと心配していたのに、電話口にけろっとして出てきやがった。しかし聞いてみると勤め先のS女子大のすったもんだに巻き込まれて、今日が久しぶりの休みということらしい。乗りかかった船でどうにも抜け出せないらしい。どこの大学も内部はがたがたなんだろうな、と思う。ともあれ、『人間学紀要』の原稿を送ってもらうことと、『青銅時代』へのこちらの原稿も送るということで話がついた。

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佐々木 孝 について

佐々木 孝(ささき たかし、1939年8月31日 – 2018年12月20日)は、日本のスペイン思想研究者。北海道帯広市生まれ。2歳から引き揚げまでの5年間を旧満州で暮らす。1961年上智大学外国語学部イスパニア語学科在学中にイエズス会に入会。5年半の修道生活の後、1967年同会を退会、還俗する。同年上智大学文学部哲学科卒業。1971年清泉女子大学講師、助教授を経て、1982年教授となる。1984年常葉学園大学(現・常葉大学)でスペイン語学科の草創に参加。1989年東京純心女子短期大学・東京純心女子大学(現・東京純心大学)教授。その間、講師として専門のスペイン思想、スペイン語を東京外国語大学、駒澤大学、法政大学、早稲田大学など他大学でも教える。2002年、定年を前に退職、病身の妻を伴い福島県原町市(現・南相馬市)に転居。以後16年にわたり、富士貞房(ふじ・ていぼう、fuji-teivo、――スペイン語のfugitivo「逃亡者」にちなむ)の筆名で、専門のスペイン思想研究を通じて確立した人文主義者としての視点から思索をつづったブログ「モノディアロゴス(Monodialogos: ウナムーノの造語で「独対話」の意)」を死の4日前まで書き続けた。担当科目はスペイン思想、人間学、比較文化論、スペイン語など。作家の島尾敏雄は従叔父にあたる。 2018年12月20日、死去(享年79)
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