心配していたとおり、今年の野馬追は終始雨にたたられた。こういうときこそジモティー(地元民のこと)としては見物に出かけて、少しでも盛り上げるべきなのだろうが、雨が降ってるねー、こんなときでもやってるんだろうか、可哀想だねーなどと思いながら、手元の雑用に追われているうち、祭りの終わりの時間が過ぎてしまった。ところが家のバッパさん、昼前、傘をさして通りまで出かけ、武者行列を見てきたそうだ。これには素直に脱帽。
夕食後、雨が上がった街中を妻と二人で散歩してきた。公園の近くを通ったとき、昨夜の盆踊り大会の名残の紙くずが道路端にへばりついているのを見たとき、急に寂しさを意識した。あゝ雨の中でも見物に出かけるべきだった。なにか今年は大きな忘れ物をしたような気がしてきた。森閑とした街中で唯一店を開けていた本屋さんに飛び込んだ。美子はようやく読みたい本(世界遺産シリーズについての文庫本)を見つけて買うことができた。本当は杏飴とか綿菓子が買いたかったのだが。
ところで昨夜遅く、K. K氏から『モノディアロゴス』の出版引き受けてもいいという嬉しいメールが入った。こまかいところではいろいろ詰めなければならないところがあるが、ともかくこれで大きく事態が動き出した。ほんとうにありがたいことである。
昼前、J女子大のS先生からメールがあり、今月末あたりI先生と二人で遊びに来てくれそうだ。大学の近況など聞きたいが、しかしそんなことより久しぶりにみんなで愉快なお酒を飲みたい。
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※本文中の太字、朱書き、アンダーライン、マーカー等の処理はすべて、死後、息子によって為されたものです。
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