台風接近のためか朝から雨もよいの一日。朝方早く瓦屋さんがきて、万一の場合に備えて梯子を外します、という。梯子といっても並の梯子ではなく、かなりの量の瓦をモーターで運び上げることのできる優れものの梯子である。今日はすべての作業が中止かなと思っていたら、屋根の上でなにやら声がする。瓦屋さんの作業は休みだが、初めて見るトタン屋さん二人がトタン部分の作業(当たり前だが)をしているようだ。時おり小雨がパラついたが、昼過ぎには作業を終えて帰っていった。
ところで朝方見たココアの顔が腫れている。正確に言えば、鼻の右部分が心持腫れている。喧嘩で爪を立てられ、そこが化膿したのか、それとも喧嘩の際にどこかにぶつけたのか。痛そうでもないし、特に化膿しているとも見えないので、ただの打撲傷かも知れない。元気は元気なので、放っておくしかあるまい。とにかくココアは生来喧嘩好きなのか、しょっちゅう生傷が絶えない。もともと美男なのだから、大きな傷をつくらないようにしてもらいたいものだが、言い聞かせる方法がない。
佐々木 孝 について
佐々木 孝(ささき たかし、1939年8月31日 – 2018年12月20日)は、日本のスペイン思想研究者。北海道帯広市生まれ。2歳から引き揚げまでの5年間を旧満州で暮らす。1961年上智大学外国語学部イスパニア語学科在学中にイエズス会に入会。5年半の修道生活の後、1967年同会を退会、還俗する。同年上智大学文学部哲学科卒業。1971年清泉女子大学講師、助教授を経て、1982年教授となる。1984年常葉学園大学(現・常葉大学)でスペイン語学科の草創に参加。1989年東京純心女子短期大学・東京純心女子大学(現・東京純心大学)教授。その間、講師として専門のスペイン思想、スペイン語を東京外国語大学、駒澤大学、法政大学、早稲田大学など他大学でも教える。2002年、定年を前に退職、病身の妻を伴い福島県原町市(現・南相馬市)に転居。以後16年にわたり、富士貞房(ふじ・ていぼう、fuji-teivo、――スペイン語のfugitivo「逃亡者」にちなむ)の筆名で、専門のスペイン思想研究を通じて確立した人文主義者としての視点から思索をつづったブログ「モノディアロゴス(Monodialogos: ウナムーノの造語で「独対話」の意)」を死の4日前まで書き続けた。担当科目はスペイン思想、人間学、比較文化論、スペイン語など。作家の島尾敏雄は従叔父にあたる。 2018年12月20日、死去(享年79)