なんとも間が悪いことに、夕食時のテレビ画面で、またもや白人警官による黒人への暴行現場のフィルムを見てしまった。イラク駐留アメリカ軍の総司令官だったかがヒスパニックのサンチェスだったり、大統領報道官が黒人女性のライスだったり、いやいやもっと上にはパウエルさんがいたっけ。でもだまされてはいけない。パウエルさんの場合もそうだが、後ろで操っているのは、ネオコンだかポプコンだか、要するに戦闘的で単細胞の白人たちだ。「戦闘的で単細胞の」という形容詞は、マイケル・ムーア風に言い換えれば「アホで間抜けな」となるが、しかしもっと正確に言えば「根っからの差別主義者で陰険な」輩(やから)なのだ。
 芸能界やスポーツ界で黒人やヒスパニックが活躍していることにだまされてはいけない。つまりそこはごまかしようもない実力の世界だからこその現象で、金や血筋が幅を利かせる(つまりこれが “世間” というものだが)では、心情的には KKKとほとんど変わらない白人たちが今も隠然たる勢力を誇っているのだ。こんなアメリカ(もっと正気のアメリカがあることは救いだが)に尻尾を振っている馬鹿な小泉、もっと恥を知れ!!!

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佐々木 孝 について

佐々木 孝(ささき たかし、1939年8月31日 – 2018年12月20日)は、日本のスペイン思想研究者。北海道帯広市生まれ。2歳から引き揚げまでの5年間を旧満州で暮らす。1961年上智大学外国語学部イスパニア語学科在学中にイエズス会に入会。5年半の修道生活の後、1967年同会を退会、還俗する。同年上智大学文学部哲学科卒業。1971年清泉女子大学講師、助教授を経て、1982年教授となる。1984年常葉学園大学(現・常葉大学)でスペイン語学科の草創に参加。1989年東京純心女子短期大学・東京純心女子大学(現・東京純心大学)教授。その間、講師として専門のスペイン思想、スペイン語を東京外国語大学、駒澤大学、法政大学、早稲田大学など他大学でも教える。2002年、定年を前に退職、病身の妻を伴い福島県原町市(現・南相馬市)に転居。以後16年にわたり、富士貞房(ふじ・ていぼう、fuji-teivo、――スペイン語のfugitivo「逃亡者」にちなむ)の筆名で、専門のスペイン思想研究を通じて確立した人文主義者としての視点から思索をつづったブログ「モノディアロゴス(Monodialogos: ウナムーノの造語で「独対話」の意)」を死の4日前まで書き続けた。担当科目はスペイン思想、人間学、比較文化論、スペイン語など。作家の島尾敏雄は従叔父にあたる。 2018年12月20日、死去(享年79)
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