今年最後の大熊訪問。途中六号線沿いでホッキ飯を出す店に寄る。娘は別のものがいいと言うので、妻と私でホッキ飯一人分を注文。予想が当たった。つまり一人分というのは、私たちにとって二人で充分な量なのだ。ホッキ飯に限らず、田舎では東京の1.5倍から2倍の量が出ると思って間違いない。満腹での運転は眠気の関係でちょっと危険だが、今日は出発前に少し朝寝をしたので無事大熊に到着。娘が来るとは思っていなかったので、義母大喜び。今度来るのは1 月10日だけれど、それまで元気で年を越して欲しい。ミニチュアの門松みたいなものをコンビニやスーパーで探したがなかったので、いちばん小さな松飾を持っていった。
帰ってみると、恩師K先生の奥様から宅急便が届いていた。8月に40歳で亡くなったYさんを記念するサグラダ・ファミリアの陶板とお菓子が入っていた。愛する夫を亡くされ、いままた長男に先立たれた奥様のことを考えると、底深い悲しみに襲われるが、奥様ご自身、これまでの時間をどのように過ごされてきたか、想像を絶する。ただ少しずつ立ち直っておられるご様子がわずかに窺えるお手紙だったので、いくぶんほっとした。
Yさんは大学教師を辞めて外尾氏のようにサグラダ・ファミリアで彫刻師として働くのが夢だったことを、今度のお手紙で初めて知った。残念至極だ。無念の、早すぎる死だった。ただ奥さんと小さな忘れ形見が、奥様と同じ家に住むようになったらしく、それはそれで嬉しいし安心できることなのだが、でも悲しみから立ち直らなければならない日々の闘いのことを考えると、またまたやり場のない無念さに襲われる。何もできないが、せめては残された日々、彼女たちのことをいつも想って行きたい。
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※本文中の太字、朱書き、アンダーライン、マーカー等の処理はすべて、死後、息子によって為されたものです。
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