実は昨日少し長めの物を書き出したのだが、体調がなかなか元に戻らず、それで珍しく早めに十時に床に就いた。しかし辛い咳ではないがやたら続いて咳き込んでしまい、夢うつつの中でみんなはこんなときどんな対症療法を試みているのだろうか、など余計な心配が次々と襲い、そのうち咳の原因は乾麺みたいな帯状のものになっていて、それがどうやらフランス語の発音記号のようなのだ。だからフランス語は嫌いなんだよ、と訳の分からぬ呪詛の言葉をつぶやいたりしている。夜中二度ほど注ぎさしの冷たいお茶を飲んだりしたが一向に効き目なし。
ともかくそんなこんなで朝を迎えてしまった。今日は午後から珍しく東京からの来客があるので、それまではしゃきっとしなければ、と思っていたのが功を奏したのか、来客との会話は無難に続けられた。いや少し体温が高かったせいか、それとも長年の教師生活のせいか、むしろふだんより雄弁(というより多弁)になっていたようだ。
ところで夕食時、そんな興奮が冷めやらないのか、ふだんは350mlのビール缶を美子、頴美、そして私と仲良く三等分すればじゅうぶんなのに、今晩は私だけさらに一缶を所望した。ついでにおりよく頂いていたイベリコ豚のエムブティード(血入りソーセージ)が試食したくなり、頴美に切ってもらった。ところがすぐ隣で食べていた愛が私も食べたいと言う。日本人なら大人でも敬遠しそうな赤っぽいソーセージを何枚もおいしそうに食べるではないか。この子、可愛い顔をしてるが確かに牧畜民・狩猟民の血が流れているわい。私? 私にはもちろんアイヌの血が流れていると思っている。
だからお行儀よく精進料理を食べることもできるが、今回のように生きるか死ぬか切羽詰っているときに(もちろん誇張表現どす)肉に似せた色と形を整えてみましたなんて類の精進料理を出されたりすると、ざけんじゃないっ!肉が食いたきゃ堂々と肉食いやがれ!それをなんだ、意地汚く、みみっちく…もどき、とか…風味なんて料理出すな、などと怒鳴ってしまうのだ(いや、実際にそんな無作法な声出したことありましぇん、たんなる願望です)。
ともかく今晩も早めに寝ます。
先生のご体調が早く快復されることを読者の一人として祈っています。今年は秋らしい時期を感じずに冬が到来してしまって、なかなか寒さに体がついていきません。私も十日ほど前にインフルエンザに罹り三日ほど外出出来ませんでした。