一昨日あたりからこの南相馬も酷暑が続いている。モノディアロゴスの再読もようやく第八巻の終わり近くまできたが、その途中いろんな発見があった。夫婦の居間にクーラーが入ったのは震災後二年目の夏の終わり近くだったことが分かり、驚いている。美子が熱中症にもならずによくも酷暑に耐えたものだと改めて感心している。
ところで美子の無聊(?)を慰めるため、夫婦の居間には絶えずCDからの音楽が流れているが、もちろんいつも新曲というわけにはいかず、中の何枚かは何度もなんども繰り返し聞いている。いま流れているのはお馴染みのトリオ・ロス・パンチョスだが、いつもそこに来ると笑っちゃう歌詞がある。「ラ・バンバ」という船乗りの歌で、「おいら水夫とちゃう、船長だぜ」という箇所だ。
元々は、メキシコのベラクルスで300年以上昔から歌われていたもので、メキシコ民族音楽とキューバのソンがベラクルスで独自に発展した「ソン・ハローチョ(son jarocho)」と呼ばれる音楽の一つらしい。
なぜ笑っちゃうか、といえば、もともと陽気で楽天的なメキシカンが精いっぱい虚勢を張っているからで、船長といってもおそらく、いや確実に荷物運びの小舟の船長だろう。つまり一人で水夫・人夫・船長役をこなしている貧しい、でも陽気で誇り高いメキシカンの姿が浮かび上がってくるからだ。
Para bailar la Bamba
Para bailar la Bamba
Se necesita una poca de gracia
Una poca de gracia y otra cosita
Y arriba y arriba, Y arriba y arriba
Por ti seré, por ti seré, por ti seré
Yo no soy marinero. Yo no soy marinero.
Soy capitán. Soy capitán. Soy capitán.
Bamba, bamba…
ラ・バンバを踊るなら、
ラ・バンバを踊るなら、
上品さはちょっぴりあればいい
ちょっぴり品がよければ、あとはノルだけ、
ノッていこうぜ、さあもっともっと盛り上がろうぜ
おいらは君のため、ただひたすら君のため、君のため
おいらは水夫とちゃう、そうとも水夫とちゃうよ
おいら船長、そうとも船長よ、船長だぜ
バンバ、バンバ…