新年のご挨拶

明けましておめでとうございます。

 当方、おかげ様で家族一同元気に年を越すことができました。美子は身動き一つできず寝たきりですが、月一の医師の往診で褒められるほど栄養状態もよく元気です。私の方も彼女の介護をすることで逆に力をもらい、日々『平和菌の歌』の豆本作り(現在累計2,285冊、スペイン語バージョン384冊)などに精進しています。また今月末には、長らく絶版になっていた旧著『ドン・キホーテの哲学』が、日本スペイン外交関係樹立百五十周年・サラマンカ大学創立八百周年記念出版の第1弾として、執行草舟さんの監修・増補改訂で『情熱の哲学 ウナムーノと「生」の闘い』と名を改め、法政大学出版局から上梓されます。
 他方、世界の現状を見て暗澹たる思い無きにしも非ずですが、十六世紀日本で苦闘を強いられたバテレンたちの「ケセラン・パサラン (力を尽くせばなんとかなる)」の心意気に合わせて頑張る所存です。
 今年も皆様のお力添えで、本「モノディアロゴス」もさらに仲間を増やし、それと同時にますます緊密な友情で結ばれますよう心から願っております。そして皆さま方におかれましても、ご健勝に恵まれ更なるご活躍を祈り上げます!

平成二〇年元旦 呑空庵庵主・富士貞房

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佐々木 孝 について

佐々木 孝(ささき たかし、1939年8月31日 – 2018年12月20日)は、日本のスペイン思想研究者。北海道帯広市生まれ。2歳から引き揚げまでの5年間を旧満州で暮らす。1961年上智大学外国語学部イスパニア語学科在学中にイエズス会に入会。5年半の修道生活の後、1967年同会を退会、還俗する。同年上智大学文学部哲学科卒業。1971年清泉女子大学講師、助教授を経て、1982年教授となる。1984年常葉学園大学(現・常葉大学)でスペイン語学科の草創に参加。1989年東京純心女子短期大学・東京純心女子大学(現・東京純心大学)教授。その間、講師として専門のスペイン思想、スペイン語を東京外国語大学、駒澤大学、法政大学、早稲田大学などの大学でも教える。2002年、定年を前に退職、病身の妻を伴い福島県原町市(現・南相馬市)に転居。以後16年にわたり、富士貞房(ふじ・ていぼう、fuji-teivo、――スペイン語のfugitivo「逃亡者」にちなむ)の筆名で、専門のスペイン思想研究を通じて確立した人文主義者としての視点から思索をつづったブログ「モノディアロゴス(Monodialogos: ウナムーノの造語で「独対話」の意)」を死の4日前まで書き続けた。担当科目はスペイン思想、人間学、比較文化論、スペイン語など。作家の島尾敏雄は従叔父にあたる。 2018年12月20日、宮城県立がんセンターで死去(享年79)。
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新年のご挨拶 への2件のフィードバック

  1. 佐々木あずさ のコメント:

    Seize the Day, Carpe diem

    今年は…

    ◎「寄りあい処 呑空庵」の学習交流の場で、考えること、聴くこと、語ることを深めていきます。モノディアロゴスに知的刺激をいただきながら、元気と勇気、根気で暮らしていけると幸いです。
    ◎美子奥さまとの共通項、ダニエルベリガン神父の詩や脚本などを再読して、30余年前の自身と語る時間を持ちたいです。
    ◎退職して5年。この間の学びの中で積み上げてきた想い、願いを共有できる場を求める仕事を探していきます。
    ◎「多様性」が当たり前の社会を創っていきます。
    ◎立ち止まることも恐れず、「ケセラン・パサラン」の意気込みを忘れずに踏ん張ります。

  2. アバター画像 fuji-teivo のコメント:

    S様
     新年のご挨拶ありがとうございます。旧年中は立野先生との素晴らしい出合いが、そして暮れには思いがけなく小生の従弟「はげあん」さんが貴ブログ訪問などあったようで、陰ながら喜んでおりました。
     どうぞ今年もお元気にこれまで以上に鋭い社会批判を展開されんことを!

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