ご覧のように今日から澤井セミナーハウスと並んで岩谷徹(とおる)さんのギャラリーへの入り口を設けました。岩谷さんを知ったのはばっぱさんがその絵画のフアンだった齋藤輝昭さんから紹介されたのが最初でした。岩谷さんは1936年福島県郡山市に生まれ。 企業勤めの経験を経て、 35歳で渡仏、以来28年間もパリの屋根裏部屋(のようなところ)に住みながら版画家として修業し、メゾチントという銅版画技法を用いて能面シリーズ、杉の樹林の小品など、月、貝、木々の葉、海などを モチーフに多くの作品を制作。 日本のみならず海外での個展でその素晴らしい作品が高く評価されています。しかし私にとって氏は本業のお仕事より、帰国後、私のように日々の感懐を豊かな人生経験を踏まえて紡ぎだすその「とおるちゃんのブログ」に多大の共感を寄せてきました。
澤井さんのセミナーハウスがいわば現代政治学部とすれば、岩谷さんのそれは芸術の香り立ちこめる現代美術学部兼ギャラリー、いやそう言ってしまえば澤井さんの発案である南相馬大学の一部のように聞こえるかもしれませんが、そうではなく独立対等の学群の一つとお考え下さい。岩谷さんのギャラリーもどうぞご覧になってください。
※すみません、以前はギャラリー見学もできたのですが、現在はブログだけになってました。「岩谷徹」で検索すればその作品のいくつかを見ることができますので、そちらで見てください。
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※本文中の太字、朱書き、アンダーライン、マーカー等の処理はすべて、死後、息子によって為されたものです。
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今年の冬は極寒で、東京でこんなに寒い冬は経験したことがありません。最近はご老人の方だけの家も多く、雪かきする人もいないので近辺の道も先日の雪でアイスバーンになって大変滑りやすい状態のままです。人間は、どんな人であっても人生経験を重ねられたことに大きな意味があるんだと私は思います。そういう人生の大先輩の方たちのお話を聞かせていただけるのは有り難いことです。今回新たに岩谷さんのブログを増設されたことを大変うれしく思います。最近の岩谷さんのブログで、人間の死について、岩谷さんご自身の死についての感慨を述べられていたのを思い出しましたが、そういう人生の大問題はなかなか聞けるものではありません。私も共感するところが多々ありました。先日、先生と同い年で、同じ北海道でお生まれになられた著名な保守派の論客が自殺した報道がありました。先生もモノディアロゴスで、その人を取り上げられていたと思いますが、人間とは何なのか、人生とは、生きることとは、そういう答えのない問いに対して岩谷さんのブログが一条の光になるのではと私は思います。