※以下のものは、「談話室」への阿部修義さんのコメントですが、阿部さんのお許しも得ないで勝手にこちらに移させていただきました。なぜかはお読みいただければお分かりと思います。
岩谷さんのブログは、先生が増設されてからは毎回拝読しています。先日も鈴木大拙のお話をされていたのを覚えてますが、この「大拙」という雅号と文章の主旨である「道化」とは密接な関係があるのではないでしょうか。先生が、中国思想とスペイン思想の関係性を以前示唆されていたことを思い出しましたが、東洋では、拙とか愚などを人間の道を歩む上で非常に尊重されていた歴史があったんだと思います。それは、利便性や物質欲など本来人間にとって枝葉末節なものよりも、もっと根源的な、全体的、普遍的なものを常に省みるようにと自戒を込めていたからだと思います。先生はこう言われています。
「ドン・キホーテこそ道化の極致ではないでしょうか。」
スペイン人にとってのドン・キホーテの生き方は、東洋での拙や愚の生き方に、そういう意味では近いのではと私は感じます。口先だけの軽佻浮薄な小才子には、それはバカげた、まさに愚かしいように見えるかも知れません。しかし、愚直に常に物事の根源に返った生き方をするには「道化」に徹することが、あらゆる相対に対応できるからなんでしょう。その道は険しく至難なものです。そして、その根底には常に愛がある、愛を「かなし」と読ませた古人の教養の高さを感じます。岩谷さんが先生に贈られた意味には、そういうことも含まれているのかも知れません。
◆大事なお知らせを忘れていました。岩谷さんの個展が東京で開催されます。
日時 6月19日(火)~7月1日(日) 25日(月)はお休み
11時-19時 最終日は17時終了
場所 銀座2-11-4 富善ビル1F
ギャルリーヴィヴァン
Tel. 03-5148-5051
交通 都営浅草線東銀座駅A8、日比谷線東銀座駅A2
私は行けませんが、皆様どうぞいらしてください。