この二日間、ウナムーノの「充実中の充実」を読み通そうと思いながら、まだそれを果たせないでいる。忙しいからだろうか。いや、作ろうと思えば時間などいくらでも作ることはできた。しかし一昨夜、いやその前の夜になるか、それを読み始めたとたん、まるで深い霧の中に迷い入ったような感じに襲われたのである。恥ずかしいことに、内容の理解以前に、文章の理解、つまり文章の論理構造そのものの理解ができなくなっていたのだ。
かつてウナムーノは、難解だが、その言わんとしていることは分ったつもりになっていた。しかし今は言葉そのものに撥ね返されるといった感じである。これはヤバイことになっている。よくも訳したものだ。理解していたのだろうか。
確かに訳文そのものがまずいということもあるだろう。例えば題名からして、分りにくい。これは「空の空なるかな、すべては空し」の、その「空」の部分に「充実」という言葉があるのだから、「充実の充実なるかな…」となるのだが、それでは日本語にならないので、「充実中の充実」としたのだろうが、でもなんとか別の訳し方があるのでは?
ともあれ、今夜ようやく読み通せそうなので、続きは明日書くことにする。そのとき題名「体感」の意味も説明しよう。
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※本文中の太字、朱書き、アンダーライン、マーカー等の処理はすべて、死後、息子によって為されたものです。
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