ギックリ腰二日目。悪くもならないが良くもならない。相変わらず、歩行すこぶる困難。まず立ち上がるのが一苦労。やっと立ち上がっても歩き出すまでかなりの時間、というより勇気が必要。上半身が完全に左に傾き、もちろん前かがみで、ゆっくりゆっくり歩かなければならない。ただ運転だけは出来るので、午後美子とスーパーに買い物に行く。美子が買い物をしている間、車の中でうたたね。本当はリクライニングで楽な姿勢にしたいのだが、あまり傾けると起き上がるときが大変だから、運転時の傾斜のままのうたたね。
 ところで今日の新聞で川俣のコスキン祭のことを読んだが、今年も出かけられなかったのがくやしい。アルゼンチンのコスキンで毎年行なわれている世界的なフォルクローレの祭りの日本版で、今年でもう二十九回目という。沖縄から北海道まで全国から約百五十のグループが参加して、昨日から明日までの三日間、町を挙げてのお祭りである。
 「ロス・バガブンドス(放浪者たち)」、「ラス・アマポーラス」。前者は静岡の常葉学園大学、後者は東京純心女子大学で学生たちと作ったフォルクローレのバンド名である。たしか前者は最近は川俣の大会に参加するようになったとか。「ラス・アマポーラス」もいつかは参加させたいと思いながらも、在職中は果たせなかった。自分自身はチャランゴもケーナも、いやどんな楽器も出来ないが、この原町でも若者たちのグループを育てることはできないだろうか、と考えている。

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佐々木 孝 について

佐々木 孝(ささき たかし、1939年8月31日 – 2018年12月20日)は、日本のスペイン思想研究者。北海道帯広市生まれ。2歳から引き揚げまでの5年間を旧満州で暮らす。1961年上智大学外国語学部イスパニア語学科在学中にイエズス会に入会。5年半の修道生活の後、1967年同会を退会、還俗する。同年上智大学文学部哲学科卒業。1971年清泉女子大学講師、助教授を経て、1982年教授となる。1984年常葉学園大学(現・常葉大学)でスペイン語学科の草創に参加。1989年東京純心女子短期大学・東京純心女子大学(現・東京純心大学)教授。その間、講師として専門のスペイン思想、スペイン語を東京外国語大学、駒澤大学、法政大学、早稲田大学など他大学でも教える。2002年、定年を前に退職、病身の妻を伴い福島県原町市(現・南相馬市)に転居。以後16年にわたり、富士貞房(ふじ・ていぼう、fuji-teivo、――スペイン語のfugitivo「逃亡者」にちなむ)の筆名で、専門のスペイン思想研究を通じて確立した人文主義者としての視点から思索をつづったブログ「モノディアロゴス(Monodialogos: ウナムーノの造語で「独対話」の意)」を死の4日前まで書き続けた。担当科目はスペイン思想、人間学、比較文化論、スペイン語など。作家の島尾敏雄は従叔父にあたる。 2018年12月20日、死去(享年79)
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