美子の心友(=しんゆう、美子自身の表現による)のM・Kさんが岩沼回りで、予定通り12時半の電車で来た。いつもはS市で95歳になる父親と二人で暮しているのだが、今回、小学校時代(?)の同窓会がI温泉であるということで、その父親を一週間ほど施設にあずけてF市に帰省し、その帰りに寄ってくれたのである。美子自身は病親(?本当は飛び切り元気なバッパさんのこと)の看護があるから、という理由で参加しなかった。
 明日の午後三時まで、思う存分旧交を温めてもらいたいと思っている。夕食はいつもの通りパエーリャもどきを作ったのだが、うっかりしてサフランが切れていたことに気づかなかった。チャーハンの素でなんとかごまかした。それにしてはまあまあの出来で完売。
 彼女、昨年大病からの奇跡的回復を経験したそうだ。身辺いろいろと大変なことがあるようだが、老後そのぶんゆったり暮して欲しい。なにせ美子の幼稚園時代からの心友なんだから。

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佐々木 孝 について

佐々木 孝(ささき たかし、1939年8月31日 – 2018年12月20日)は、日本のスペイン思想研究者。北海道帯広市生まれ。2歳から引き揚げまでの5年間を旧満州で暮らす。1961年上智大学外国語学部イスパニア語学科在学中にイエズス会に入会。5年半の修道生活の後、1967年同会を退会、還俗する。同年上智大学文学部哲学科卒業。1971年清泉女子大学講師、助教授を経て、1982年教授となる。1984年常葉学園大学(現・常葉大学)でスペイン語学科の草創に参加。1989年東京純心女子短期大学・東京純心女子大学(現・東京純心大学)教授。その間、講師として専門のスペイン思想、スペイン語を東京外国語大学、駒澤大学、法政大学、早稲田大学など他大学でも教える。2002年、定年を前に退職、病身の妻を伴い福島県原町市(現・南相馬市)に転居。以後16年にわたり、富士貞房(ふじ・ていぼう、fuji-teivo、――スペイン語のfugitivo「逃亡者」にちなむ)の筆名で、専門のスペイン思想研究を通じて確立した人文主義者としての視点から思索をつづったブログ「モノディアロゴス(Monodialogos: ウナムーノの造語で「独対話」の意)」を死の4日前まで書き続けた。担当科目はスペイン思想、人間学、比較文化論、スペイン語など。作家の島尾敏雄は従叔父にあたる。 2018年12月20日、死去(享年79)
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