さて宿題が残っていたったけ。あの鉤の手にまがった六角形の工具を何て言うのか。平凡社の百科事典で「ねじ回し」を見たが出ていない。本当はこういった疑問に答えてくれる事典のようなものが日本語でもあるのかも知れないが、残念ながら手元にはない。それで過去に何回か世話になった Duden の絵入り事典スペイン語版を調べてみた。スペイン語でねじ(ボルト)は tornillo、ナットは tuerca と言う。しかしどちらを引いてもなかなか見つからない。それならいっそのこと工具(herramienta)で調べてみよう。するとあった、絵が。la llave para tuercas hexagonales、つまり六角形ナット用のスパナまたはレンチということであろう。今度はスパナで平凡社百科事典を調べてみたら、ようやく「六角棒スパナ」と出ていた。今度買ったそれは、直径2ミリくらいのものから直径7ミリくらいのものまで六本のセットだが、もちろんこれ以上に大きなものもあるのだろう。
 でもこんなことを時間をかけて調べられるのもよほど暇だからだろうな。六角棒スパナか、なるほど。

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佐々木 孝 について

佐々木 孝(ささき たかし、1939年8月31日 – 2018年12月20日)は、日本のスペイン思想研究者。北海道帯広市生まれ。2歳から引き揚げまでの5年間を旧満州で暮らす。1961年上智大学外国語学部イスパニア語学科在学中にイエズス会に入会。5年半の修道生活の後、1967年同会を退会、還俗する。同年上智大学文学部哲学科卒業。1971年清泉女子大学講師、助教授を経て、1982年教授となる。1984年常葉学園大学(現・常葉大学)でスペイン語学科の草創に参加。1989年東京純心女子短期大学・東京純心女子大学(現・東京純心大学)教授。その間、講師として専門のスペイン思想、スペイン語を東京外国語大学、駒澤大学、法政大学、早稲田大学などの大学でも教える。2002年、定年を前に退職、病身の妻を伴い福島県原町市(現・南相馬市)に転居。以後16年にわたり、富士貞房(ふじ・ていぼう、fuji-teivo、――スペイン語のfugitivo「逃亡者」にちなむ)の筆名で、専門のスペイン思想研究を通じて確立した人文主義者としての視点から思索をつづったブログ「モノディアロゴス(Monodialogos: ウナムーノの造語で「独対話」の意)」を死の4日前まで書き続けた。担当科目はスペイン思想、人間学、比較文化論、スペイン語など。作家の島尾敏雄は従叔父にあたる。 2018年12月20日、宮城県立がんセンターで死去(享年79)。
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