小高の浮舟文化会館で「豊田君仙子展」が22日から始まった。来年の2月1日までなので、来月の「島尾敏雄を読む会」に出かけるときにゆっくり見てこようと思う。一昨日の『福島民友』に展示会のことが写真入りで紹介されていたが、そこには君仙子さんの大きな写真を配したポスターが見え、ぜひ一枚欲しくなった。T氏にその旨お願いしたら、今日の午後、わざわざ車で届けてくださった。自宅庭にある句碑の前にしゃがんだ懐かしい君仙子さんの写真である。句碑には、あの有名な
柚の花や 繭売りすみて 月夜なる
が彫られている。T氏にもらったパンフレットによると、県内に16基あるとされた句碑は、実は19基らしく、わが原町にも、大甕医徳寺に1基あり、そこには次の句が彫られているという。
野馬追の 三日古りゆく 山河かな
佐々木 孝 について
佐々木 孝(ささき たかし、1939年8月31日 – 2018年12月20日)は、日本のスペイン思想研究者。北海道帯広市生まれ。2歳から引き揚げまでの5年間を旧満州で暮らす。1961年上智大学外国語学部イスパニア語学科在学中にイエズス会に入会。5年半の修道生活の後、1967年同会を退会、還俗する。同年上智大学文学部哲学科卒業。1971年清泉女子大学講師、助教授を経て、1982年教授となる。1984年常葉学園大学(現・常葉大学)でスペイン語学科の草創に参加。1989年東京純心女子短期大学・東京純心女子大学(現・東京純心大学)教授。その間、講師として専門のスペイン思想、スペイン語を東京外国語大学、駒澤大学、法政大学、早稲田大学など他大学でも教える。2002年、定年を前に退職、病身の妻を伴い福島県原町市(現・南相馬市)に転居。以後16年にわたり、富士貞房(ふじ・ていぼう、fuji-teivo、――スペイン語のfugitivo「逃亡者」にちなむ)の筆名で、専門のスペイン思想研究を通じて確立した人文主義者としての視点から思索をつづったブログ「モノディアロゴス(Monodialogos: ウナムーノの造語で「独対話」の意)」を死の4日前まで書き続けた。担当科目はスペイン思想、人間学、比較文化論、スペイン語など。作家の島尾敏雄は従叔父にあたる。 2018年12月20日、死去(享年79)