スペイン語教室新年会

今晩七時から、駅近くの居酒屋で、スペイン語教室の新年会がある。昨年度はクリスマス会だったが、今年度は年が明けてからゆっくりということで、22名ほどが集まる。中学時代の同級生たちが献身的に教室運営をしてくれているので、毎週木曜、実に楽しい教室に発展した。それぞれ仕事や勤めを持ちながらの教室参加で、教える私の方が毎回いい刺激をもらっている。
 会員有志によるフォルクローレの演奏など楽しい出し物もあるようだが、さて先生も何か、など求められたらどうしよう。それで急遽、若山牧水の『白鳥の歌』(古関裕而作曲)のスペイン語訳を作ってみた。正式にスペイン詩の韻の踏み方など勉強したことがないので、ただ意を汲んだだけのお粗末な作文である。もちろん、もし歌うなら日本語の方である。

 白鳥は かなしからずや 空の青 海の青にも 染まずただよふ

 幾山河 越えさりゆかば さびしさの はてなむ国ぞ きょうも旅ゆく

 いざゆかむ 行きてまだ見ぬ 山を見む このさびしさに 君は耐ふるや


 ¡Qué triste estará el cisne!,
 no teñido ni en azul del cielo
 ni del mar flotando blanco.


 ¡Cuántas montañas y rios
 tienes que atravesar!,
 hasta llegar al país sin tristeza.


 Vamos a ver la montaña
 todavía no vista, caminante,
 aguantando esta tristeza.

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佐々木 孝 について

佐々木 孝(ささき たかし、1939年8月31日 – 2018年12月20日)は、日本のスペイン思想研究者。北海道帯広市生まれ。2歳から引き揚げまでの5年間を旧満州で暮らす。1961年上智大学外国語学部イスパニア語学科在学中にイエズス会に入会。5年半の修道生活の後、1967年同会を退会、還俗する。同年上智大学文学部哲学科卒業。1971年清泉女子大学講師、助教授を経て、1982年教授となる。1984年常葉学園大学(現・常葉大学)でスペイン語学科の草創に参加。1989年東京純心女子短期大学・東京純心女子大学(現・東京純心大学)教授。その間、講師として専門のスペイン思想、スペイン語を東京外国語大学、駒澤大学、法政大学、早稲田大学など他大学でも教える。2002年、定年を前に退職、病身の妻を伴い福島県原町市(現・南相馬市)に転居。以後16年にわたり、富士貞房(ふじ・ていぼう、fuji-teivo、――スペイン語のfugitivo「逃亡者」にちなむ)の筆名で、専門のスペイン思想研究を通じて確立した人文主義者としての視点から思索をつづったブログ「モノディアロゴス(Monodialogos: ウナムーノの造語で「独対話」の意)」を死の4日前まで書き続けた。担当科目はスペイン思想、人間学、比較文化論、スペイン語など。作家の島尾敏雄は従叔父にあたる。 2018年12月20日、死去(享年79)
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