種田山頭火

夜手元のカレンダーを見て、今日が建国記念日であること、いや、あったことに初めて気がついた。今日が何日で何曜日なのか分からないまま日が過ぎてゆく。
 先ほどから『定本 種田山頭火句集』を見ている。巻末の年譜で、どんな生涯を送った人か初めて知った。俳句については何も知らないも同然だが、山頭火はどのような評価を受けてきた人なんだろう。これまでもいくつか彼の句を読んだような気がするが、いずれも俳句の約束事を無視した、人を食った句という印象が残っている。初めて彼の句集を見ているのだが、なるほど面白い。
 たとえば「身辺整理」という添え書き(と言うんだろうか?)のある句。

     焼いてしまへばこれだけの灰を風吹く

 がくんと、肩透かしをくったような句だが、不思議な余韻が残る。続いて「老遍路」という添え書きの二つの句。

     死ねない手がふる鈴をふる
     とほくちかくどこかのおくで鳴いてゐる

 なんという句だろう。でもクセになる。妙な韻律がまとわりついてくる。しばらく読んでみよう。

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佐々木 孝 について

佐々木 孝(ささき たかし、1939年8月31日 – 2018年12月20日)は、日本のスペイン思想研究者。北海道帯広市生まれ。2歳から引き揚げまでの5年間を旧満州で暮らす。1961年上智大学外国語学部イスパニア語学科在学中にイエズス会に入会。5年半の修道生活の後、1967年同会を退会、還俗する。同年上智大学文学部哲学科卒業。1971年清泉女子大学講師、助教授を経て、1982年教授となる。1984年常葉学園大学(現・常葉大学)でスペイン語学科の草創に参加。1989年東京純心女子短期大学・東京純心女子大学(現・東京純心大学)教授。その間、講師として専門のスペイン思想、スペイン語を東京外国語大学、駒澤大学、法政大学、早稲田大学など他大学でも教える。2002年、定年を前に退職、病身の妻を伴い福島県原町市(現・南相馬市)に転居。以後16年にわたり、富士貞房(ふじ・ていぼう、fuji-teivo、――スペイン語のfugitivo「逃亡者」にちなむ)の筆名で、専門のスペイン思想研究を通じて確立した人文主義者としての視点から思索をつづったブログ「モノディアロゴス(Monodialogos: ウナムーノの造語で「独対話」の意)」を死の4日前まで書き続けた。担当科目はスペイン思想、人間学、比較文化論、スペイン語など。作家の島尾敏雄は従叔父にあたる。 2018年12月20日、死去(享年79)
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