この雨の中、迷いに迷ったが、といって誰とどこに投票すべきか迷ったんじゃない。投票すべきか、それとも棄権すべきか、それを迷っていただけ。つまり投票によって国民の意思が表明されるというこの有難ーい投票制度そのものに絶望しているからだ。
特に今回ほど日本の政治がグダグダの末期症状を呈していたことはなかった。結局、小池という出たがり屋のおばさんにかき回され、辛うじて命脈を保っていた革新勢力が分断され、安倍政権に引導を渡すどころか政権続投へのお墨付きまで与えたわけだ。いや、まだ結果は分からないが、100パーセントそうなるだろう。
岸洋子の歌の文句じゃないけど、大した勝算もないままに「“希望” という名のあなたをたずね」た前原の罪は大きい。まっ、もともと脆弱な政党であり、これで落ちるところまで落ちたわけで、これも日本政治全体の退廃現象の一つに過ぎない。
選挙戦終盤にきて、安倍首相が福島入りをした光景をたまたまテレビで見たが、彼を歓迎する善良な県民たちのなんの屈託もなく嬉しそうな顔に、正直深ーく絶望した。大震災直後の参院選挙の時もそうだったが、これだけ痛めつけられているのに何一つ不満や怒りを持てない良民たち。その時も「清き一票」などとさんざ刷り込み教育をされてきた「良識」の民の投票行為が、結局は日本の政治をダメにしてきたと感じたが、もちろんそれに代わる有効手段がないことにさらに深く絶望している。つまりお上に「従う」ことは教えられたが、そのお上の不正や間違いに対して批判することも正しく「怒る」ことも教えられてこなかった良民の悲しくも痛ましい姿だ。
しかし今は「最悪の事態だが、ここで諦めず、不退転の覚悟をもって自分らしく力を尽くして」生きてゆこう。(あれっ、どこかで聞いた文句だと思ったら、それ「平和菌の歌」の解説の言葉じゃない? そうだよ、要するにケセラン・パサランの精神。だからおいちゃん(本当はお爺ちゃん)は、こうして今日もせっせと豆本作りに精を出してます)。
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※本文中の太字、朱書き、アンダーライン、マーカー等の処理はすべて、死後、息子によって為されたものです。
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確か中村さんという方のコメントが上出さんの投稿の前にあったはずですが、いま見たら消えてました。現在ブログが不法侵入の被害を受け、そのためサーバーが復旧中でしたので、そのための事故かも知れません。他意はございませんので、もしよろしかったら、中村さんもう一度投稿してみてください。宜しく。
それからついでに申し上げておきますが、ここはあくまで「談話室」で、それが卓見であろうとなかろうと話し相手無しの単なる意見陳述の場でないことをどうぞご承知おき下さい。