今日も『モノディアロゴスⅢ』の作業を続けた。具体的には2008年2月27日から同年4月24日までの分である。ページ数に直せば約90ページ進んで、現在158ページ目である。
作業をしながら思ったのは、やたら空証文が多い、ということだ。つまりやらなければならないことの多くが実行に移さぬまま今日にいたっているということである。
今日も暑かった。美子には先日買ってやった安い柄物のズボン、今風に言えばパンツをはかせた。もともと物を大事にする妻だから、たんすの中を探せば着せるものに不自由はないのだが、現在の彼女には胴回りがゴムになっているものが便利なので、手ごろで涼しげなものを着せたのだ。化粧や着るものに関してセンスのいい方だった妻が、いまはすべて私任せなのが不憫である。でも仕方が無い。せいぜい気をつけて、見苦しくないようにしてやらねば。
佐々木 孝 について
佐々木 孝(ささき たかし、1939年8月31日 – 2018年12月20日)は、日本のスペイン思想研究者。北海道帯広市生まれ。2歳から引き揚げまでの5年間を旧満州で暮らす。1961年上智大学外国語学部イスパニア語学科在学中にイエズス会に入会。5年半の修道生活の後、1967年同会を退会、還俗する。同年上智大学文学部哲学科卒業。1971年清泉女子大学講師、助教授を経て、1982年教授となる。1984年常葉学園大学(現・常葉大学)でスペイン語学科の草創に参加。1989年東京純心女子短期大学・東京純心女子大学(現・東京純心大学)教授。その間、講師として専門のスペイン思想、スペイン語を東京外国語大学、駒澤大学、法政大学、早稲田大学などの大学でも教える。2002年、定年を前に退職、病身の妻を伴い福島県原町市(現・南相馬市)に転居。以後16年にわたり、富士貞房(ふじ・ていぼう、fuji-teivo、――スペイン語のfugitivo「逃亡者」にちなむ)の筆名で、専門のスペイン思想研究を通じて確立した人文主義者としての視点から思索をつづったブログ「モノディアロゴス(Monodialogos: ウナムーノの造語で「独対話」の意)」を死の4日前まで書き続けた。担当科目はスペイン思想、人間学、比較文化論、スペイン語など。作家の島尾敏雄は従叔父にあたる。 2018年12月20日、宮城県立がんセンターで死去(享年79)。