もののはずみで始めた『モノディアロゴスⅢ』の編集も、四日ばかりかけて今日の夕方いちおう完了した。予想外の速さである。二〇〇八年一月六日から昨二〇〇九年の七月十六日まで、つまり美子の入院までのものをその範囲としたが、これも予想を上回って三五〇ページ近くの分量になった。『Ⅱ』より四〇ページも多い。しかしこの分量だと、「製本屋さん」の処理能力を越え出るし、表紙印刷がたぶん無理になる。
読み直すまでもないが、中には収録する価値なしと思われるものも相当数あるので、この際四〇ページ分ほど削ることにした。たとえばウィキペディアについて、心覚えの意味でほとんどネットからの引用でできあがっているようなものがあり、これは真っ先に削った。また昨春、同人誌『青銅時代』第四十九号に出したもののうち、あまり後味のよくない文章、とりわけ他人の批評をしているものは割愛することにした。
こうして最終的に三〇四ページとなった。分量的には『Ⅱ』とほぼ同じなのに、収録件数がかなり少なくなっているのは、二ページに収まりきらずに三ページにわたるものがかなりあったからである。この点で、当初の千字枠は実質上崩れてきたわけである。正確に言えば、二ページ見開きだと九五〇字、そして三ページだと一四〇〇字となり、どちらにせよ千字ではなくなっている。
ではこれからはどうするのか。今後も千字はあくまで一応の目安にして、あまりこだわらないことにするつもりである。
これまでの二冊は、いずれも二刷あたりから中村忠夫氏や平沼孝之氏から「解説」文をいただいたが、今回もまずは出版して、万が一また何か書いてくださる方がいらっしゃれば望外の幸せと、その時点で収録を頼み込んで以後の版に加えさせていただく、などと虫のいいことを考えている。今のところ、そのための紙幅は六ページ分残っている。よろしくお願いします。
二〇一〇年七月八日 著者記す。