いやーな感じ

イラクへの武力攻撃が秒読み段階に入っただと。あと半時間後には、ブッシュがテレビ演説をするだと。ざけんじゃねぇ、てめえの言葉なんて聞く耳をもたぬわ、たわけ。宣教師面した猿面患者、おっと間違えた冠者め。でもこれでは褒めすぎ。冠者は若者、ブッシュは…やめよ、歳のことは。
 ここにきて事態ははっきりした。要するに大量破壊兵器がどうのこうの、という問題じゃなく、ひたすらフセイン憎しが嵩じてここまできたということ。それも親子二代にわたっての執拗な憎しみの伝達。セイラムの魔女狩り、マッカーシーの赤狩りなどの流れを汲む正統アメリカ版異端審問さ。
 閣僚に黒人やヒスパニックを何人か入れているけど、本音のところでは K. K. K. ともあまり違わないと思うよ。もちろん K. K. K. の K は小泉の頭文字なんぞと関係ない。でもいるんだなー、日本には根っからのアメリカ好きが。ギムミチューインガムの時代に植え付けられちまった奴隷根性なんだろうな。腹空いてたときのあのアメリカ物資の豊かさはまさに虹がかかっていたもんな。ナトコ映画、ララ物資、フルブライト留学生、ジープの上の金色産毛のアメリカ兵たち、やつら栄養がいいもんだから寒さ関係なし……
 それにしてもブッシュのあの颯爽とした歩きっぷり。純一郎も一生懸命真似してる。首相官邸のあの二階廊下を報道陣を見下ろしながら歩くときのあの「振り」はブッシュそっくり。けつまずくなよー。
 世界はどうなる?どうにもならないさ、今のまんまよ。イラクは負け、フセインは死ぬか殺されるかするだろうよ。そしてアメリカにとっては順風が吹くだろう。今まで武力攻撃に反対してた者たちも、そのうちアメリカになびくさ。強いもの、福しいもの(金持ち)についた方がそりゃ君楽しいべさ。
 日本人の精神年齢は十二歳と言ったのは、だれだっけ。そうマッカーサー元帥。くやしいけどそれ認めなきゃなんねぇ。でも宣教師面して自分たちの倫理観押し付けるのは相も変らぬヤンキーの性(さが)。ブッシュの顔、どうして宣教師面に見えるんだろ。たぶん自分たちはこぎたない奴らと違って、あらゆる面で格別に優れていると思っているからだろ。Hurrah, american way of life!
そうよ、アメリカは最高よ、フラー!!!

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佐々木 孝 について

佐々木 孝(ささき たかし、1939年8月31日 – 2018年12月20日)は、日本のスペイン思想研究者。北海道帯広市生まれ。2歳から引き揚げまでの5年間を旧満州で暮らす。1961年上智大学外国語学部イスパニア語学科在学中にイエズス会に入会。5年半の修道生活の後、1967年同会を退会、還俗する。同年上智大学文学部哲学科卒業。1971年清泉女子大学講師、助教授を経て、1982年教授となる。1984年常葉学園大学(現・常葉大学)でスペイン語学科の草創に参加。1989年東京純心女子短期大学・東京純心女子大学(現・東京純心大学)教授。その間、講師として専門のスペイン思想、スペイン語を東京外国語大学、駒澤大学、法政大学、早稲田大学などの大学でも教える。2002年、定年を前に退職、病身の妻を伴い福島県原町市(現・南相馬市)に転居。以後16年にわたり、富士貞房(ふじ・ていぼう、fuji-teivo、――スペイン語のfugitivo「逃亡者」にちなむ)の筆名で、専門のスペイン思想研究を通じて確立した人文主義者としての視点から思索をつづったブログ「モノディアロゴス(Monodialogos: ウナムーノの造語で「独対話」の意)」を死の4日前まで書き続けた。担当科目はスペイン思想、人間学、比較文化論、スペイン語など。作家の島尾敏雄は従叔父にあたる。 2018年12月20日、宮城県立がんセンターで死去(享年79)。
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