この世知辛い年末、とりわけトランプ騒動で殺伐としている(と見える)アメリカにも、O. ヘンリー描くころの良きアメリカも残ってるんだ、と感激したら、投稿されたのは2年前だと分かって、がっかり。でも話そのものは時間を超えて素晴らしいので、みなさんにも番外編としてお裾分けしたい。翻訳無しだが、話の内容は以下「女性自身Web」に出ているストーリー読めば大体分かるでしょう。年の瀬の、貞房からのささやかなプレゼントです。
★100ドルもらったホームレスは何をしたか——米ユーチューバーが尾行して見たものは
投稿日: 2014年12月25日 19:00 JST
動画をYouTubeに投稿し、莫大な広告収入を得る「ユーチューバー」と呼ばれる人々が台頭している。新製品のレビューや、おもちゃの開封、メイクアップのハウツーなど、その題材は様々だが、米国のジョシュ・ペイラー・リンというユーチューバーは「いたずら王」として人気を博している。彼の動画は平均50万回前後、多いもので500万回ほどの再生数だが、2日前にアップロードした動画はすでに1600万回を超えている。
それは、ホームレスに100ドルを寄付し、その金をどう使うのかを尾行して撮影するというもの。トーマスという名のホームレスは突然リンに100ドルを渡され、驚きながらも感激と感謝のハグを交わしてその場を去った。彼の後を追いかけるリンのカメラは、リカーショップに入るトーマスの姿を捉えた。「100ドル分の酒を買うのだろう」と誰もが思うはずだ。
しかし、店を出たトーマスは公園に赴き、買ったばかりの食料をホームレス仲間に与え始めるではないか。皆に行き渡ると、また別のホームレスの集団に近づき、再び同じことをする。この姿に心を打たれたリンは飛び出していき、「ごめんよ、あなたが100ドルを何に使うか、ビデオに撮っていたんだ。本当に申し訳ない」と謝罪とともにネタばらし。これに怒るでもなく、トーマスは身の上話を始めた。
病に倒れた両親の看病をするため、トーマスはなくなく仕事を辞めたという。そして両親は亡くなり、治療費がかさんだため家も失った。路上生活を送り始めたのは4か月前のことだとか。「金じゃ買えないものがある。僕は自分のしたことで幸せを手にしたんだ」と語るトーマスの姿勢に感動したリンは、再び100ドルを寄付し、トーマスの衣服を買ったり、仕事に就くための支援をするクラウドファンディングキャンペーンを立ち上げた。10ドルからスタートし、ゴールは6万ドルに設定されているが、すでに4000人を超える人々から8万ドル以上の善意が寄せられている。「情けは人のためならず」という言葉は、まさに真実だった。
ユーチューバーのリンさんにとっては、ホームレスのトーマスさんの行為は感動的なシーンに映ったんでしょうが、トーマスさんは、単に当たり前の行為をしただけだったんだと動画を視聴して私は感じました。2002年9月9日「パースペクティヴの誤り」の中で、先生はこう言われています。
「人間に対しては(等身大)の視点しかないということだ。」
動画を観て、私もリンさんと同じように感動しました。それは、自分には間違いなくトーマスさんのような行為はできないと思ったからです。思いつきや、その時の気分のようなもので、少しお金に余裕があれば、私もトーマスさんのような行為ができるかも知れません。先日、トランプさんと会った孫正義さんという大金持ちが、東日本大震災の時に100億円寄付したことを覚えていますが、凄いなとは思いましたが、この動画で感じたような感動は私にはありません。まったく身銭のない一人のホームレスが、自分と同じような境遇の仲間に偶然もらったお金で食料を買い、空腹を凌ぐという最低限の喜びを分かち合った行為に私は感動しました。先生が、こう言われています。
「他者を等身大で見るためには、同じ平土間に立たなければならない。時にはそれはまどろっこしく、また理解の届かぬところが常に残る。しかしこの視点からしか正しい他者理解の道は開かれないと覚悟すべきだ。」