寒さに震えている。冬ってこんなに寒かったのだろうか。午後、四日から単身で来てくれていた娘の帰京を駅前で見送った。もちろん電車はまだ不通で、まずバスで川俣経由で福島へ、そこから新幹線に乗り換えるというルートである。この五日間、夜は美子の側に寝てもらい、私は隣りの部屋のソファーベッドで寝た。二人の孫たちが来なかったのは残念だったが、子供連れだとママ(つまり美子)の世話が落ち着いて出来ないので、という娘の言い分ももっともだったので諦めた。しかしおかげで愛は五日間叔母ちゃんを独占できたようで、大きい声ではしゃぎっぱなしだった。
相変わらず宙ぶらりんのまま時間が流れていく。本を読む気にも、テレビを見る気にもならない。ただ娘が帰ってから、録り溜めていた一つのテレビ番組だけは何とか見終えた。去年の夏拙宅に徐京稙さんといっしょに来られた鎌倉英也ディレクターが作った「2012 BS-1巻頭言特集 ジョン・ダワー × ガバン・マコーマック 震災後 日本と世界への眼」である。
なかなか見ごたえのある内容だった。国営放送もなかなかやるねえ、と感心した。アメリカ人やオーストラリア人の論客から、アメリカ追随外交から一歩も抜け出せないでいる日本人、とりわけ政治家たちへの辛辣な批判であり提言だったが、肝心の政治家たちは見てくれたのであろうか。J. ダワー氏の『敗北を抱きしめて』を購入したまま読んでいなかったので、この際読んでみようか。
3.11があらゆる意味で日本再生の好機であるという点ではまったく同意見だが、果たして日本はこの好機を生かし切ることが出来るだろうか。どうも最近の情勢を見る限り、またもや迷妄と錯誤の道をずり落ち始めているとしか見えない。しかも貞房のブログなどまさにゴマメのはぎしり以外の何物でもないわけだから、他は推して知るべし。といって、ダワー氏やマコーマック氏のように今さら国際政治や歴史の勉強を始めるには時間がないしパワー不足だし…
新年早々どうも景気の悪い話で申しわけないが、でもゴマメはゴマメなりに執拗に歯軋りしていくしかあるまい。いや何も孤軍奮闘というわけではない、このブログの周りには百戦錬磨の面々が揃っているのではなかったか。歯軋りだって多数集ってやっていくうちに、愚かな為政者や政治家たちにも無視できない(耳障りな)くらいに大きく響くようになるかも知れない。そして同時に、いたるところに「平和菌」をばら撒いたり仕掛けていけば、暗愚政治の屋台骨をいつかぐらりと揺るがせるまでになるかも知れない。
これを単なる初夢のままにしないで、一つ皆さん、元気に頑張ってみますか! なんだか書いているうちに少し元気が出てきましたわい。
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※本文中の太字、朱書き、アンダーライン、マーカー等の処理はすべて、死後、息子によって為されたものです。
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