ようやく明日晴れそうである。梅雨明け宣言はまだ出ないらしいが、ともかく晴れ間が見えるのはいったい何日、いや何週間、いや何ヶ月ぶりだろう。電車通勤の人たちのことを思えば、ましてや今回の宮城県北部の地震被災地の人たちのことを思えば、けっして贅沢は言えないが、それにしても寒く長い梅雨だった。でもカーッと照りつける炎暑は今年は無いのだろうか。昨年の今ごろ、正確に言えば30日、バッパさんが熱中症で緊急入院したっけ。
まるで化け物。いやバッパさんのことだけど元気げんき。今日も夕食前大バトル。あの人はぜったいに負けない、なぜなら負けることを知らないから。この意味分かるでしょうか。要するに小学生の口げんかみたく、どんなに分が悪くても必ず屁理屈が出てくるということです。話の発端は……足腰が弱くなってきたから、二階で寝ることはやめ、一階の奥座敷(?)にベッドを入れて(姉が誕生祝に買ってくれるはず)、夜は小さい方はポータブルにするように説得したのだが、土壇場でポータブルは部屋の中に入れたくない、縁側に囲いを作ってそこでやるから、と言う。今までだって二階では夜間ポータブルを使っていたのに、消臭剤をケチッて使わないものだから臭いが部屋にこもる。しかし鼻が悪いからそれが分からない。それなのに、下では室内でポータブルを使いたくない、と言う。ポータブルは室内で使うためのもの。縁側に囲いを作ってそこに置きたいと言う。あゝ分かんね、あの人の言うこと。縁側の囲いの中で便器にまたがっているバッパさんの姿想像できますか。あーやんだやんだ、おらやんだ。
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※本文中の太字、朱書き、アンダーライン、マーカー等の処理はすべて、死後、息子によって為されたものです。
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