十時ころXが来る。F町からの二人(Y君とZ君)は、十時半の電車で来るらしい。二人はパソコンを持ってくるので、この雨の中では大変だろうと、喜彦君を乗せて駅まで迎えにいくことにしたのである。
原町終着の電車で下りてきた二人とは私は今日が初対面。真面目そうな高1と高2の男の子で、彼らとはうまくやっていけると最初から確信できた。
下の部屋を少し片付け、パソコン設置の場所の確定、そしてどういう規模でのインターネット運営か、そのために必要な機器はどの程度にすべきか、彼らに相談してもらう。正直言って、彼らの会話の内容は半分、いや三分の二は分からない。二階の私のパソコンから真下のパソコンに繋ぐことになるだろう。彼ら自身がそれぞれ持ち寄った部品で組み立てたパソコン一台と、私がその費用を受け持つディスク・トップのパソコンと都合二台のパソコンを用意しての発足となる予定。明日Xがお父さんと一緒に車で仙台市の専門店に行って、なるたけ安く機械を購入することになった。
名称は初め「ドン・キホーテの会」を考えていたが、インターネットの世界での名称選びには注意しなればならないらしい。つまり「ドン・キホーテ」で検索すると、何千とひっかかってくるというのだ。なるほど「ヤフー」で検索したら、あの有名な量販店をはじめ無数のものがひっかかってきた。それで急遽考え直した。それが Medios Club である。本当は Club Medios の方がいいのだが、それだとなんだかバーの名前のようなので、Medios Club とした。
かくして今日は、彼らと話し合ったり、手作りのあさりスパゲッティを一緒に食べたりの一日だった。彼らはどう思ったかは知らないが、私自身はまるで高校生に戻ったような(それはちと大袈裟だが)気分だった。妻も彼らの素直さに感嘆することしきり。前から漠然と願っていたことが、今日一歩現実化へと踏み出したわけだ。
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※本文中の太字、朱書き、アンダーライン、マーカー等の処理はすべて、死後、息子によって為されたものです。
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