シンポジウムのお知らせ

前略ごめん下さい。
 いったん暖かさに向かうかと思われた春も、このところの寒さで足踏みしているようです。その後皆様にはお変わりございませんか。
 さて三月二十二、三日の相馬での例会と同時開催の小川さんの講演会のことですが、小川さんが最近怪我をされたということで、残念ながら取りやめとなりました。氏の一日も早い快癒をお祈りいたします。その代わりといってはなんですが、急遽、他の同人によるシンポジウムを計画しています。平沼編集長には電話で大要をお知らせし賛同を得ておりますが、そのシンポジウムに参加いただきたい同人諸氏にはこの手紙で初めてお知らせするわけで、それこそ寝耳に水のこと、さぞかしびっくりなさることと思いますが、これはあくまでご賛同いただければの話ですので、その点どうぞご理解、そしてご承諾下さい。


 ■文学シンポジウム(主催 南相馬市・埴谷島尾記念文学資料館)■


日 時   平成二十年三月二十三日(日)午後一時三十分~三時
        (うち発表・討論 一時間二十分、残り時間、質疑応答)
場 所   浮舟文化会館一階研修室
対 象   一般市民
テーマ   「島尾敏雄と小川国夫、そして『青銅時代』」


                  コーディネーター   佐々木 孝
                   パネリスト      三光 長治
                               近藤 晴彦
                               寺内 邦夫

  • 三光氏には『青銅時代』の創刊当時や初期時代について、そして近藤氏には第十号(島尾敏雄の『思屑録』掲載号)当時のことなど話していただければ有難いのですが。
  • 寺内氏には、島尾敏雄との長年の交流のことや、ご自身が『青銅時代』に参加されるようになった経緯など話していただきたい。
  • 各パネリストの持ち時間はあまりご負担にならぬよう十分くらいの短時間で、あとは司会の佐々木がうまく(いくはずもないですが)お話を引き出しながらまとめます。
  • なお例会に参加される他の同人、とりわけ編集長の平沼氏にも、会場ではパネリストの脇をかためて(?)いただいて、適宜発言していただければ、と願っております。
  • 別紙に、電車の時刻表とお宿銭についてお知らせしておりますので、ご利用下さい。二十二日夕刻の例会については、編集部から別途ご連絡があるはずですので、そちらをご参照下さい。

ろくなお世話おもてなしもできませんが、できるだけ多くの同人諸氏のご参加を願っております。  

                          二月二十六日

         佐々木 孝


同人各位

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佐々木 孝 について

佐々木 孝(ささき たかし、1939年8月31日 – 2018年12月20日)は、日本のスペイン思想研究者。北海道帯広市生まれ。2歳から引き揚げまでの5年間を旧満州で暮らす。1961年上智大学外国語学部イスパニア語学科在学中にイエズス会に入会。5年半の修道生活の後、1967年同会を退会、還俗する。同年上智大学文学部哲学科卒業。1971年清泉女子大学講師、助教授を経て、1982年教授となる。1984年常葉学園大学(現・常葉大学)でスペイン語学科の草創に参加。1989年東京純心女子短期大学・東京純心女子大学(現・東京純心大学)教授。その間、講師として専門のスペイン思想、スペイン語を東京外国語大学、駒澤大学、法政大学、早稲田大学などの大学でも教える。2002年、定年を前に退職、病身の妻を伴い福島県原町市(現・南相馬市)に転居。以後16年にわたり、富士貞房(ふじ・ていぼう、fuji-teivo、――スペイン語のfugitivo「逃亡者」にちなむ)の筆名で、専門のスペイン思想研究を通じて確立した人文主義者としての視点から思索をつづったブログ「モノディアロゴス(Monodialogos: ウナムーノの造語で「独対話」の意)」を死の4日前まで書き続けた。担当科目はスペイン思想、人間学、比較文化論、スペイン語など。作家の島尾敏雄は従叔父にあたる。 2018年12月20日、宮城県立がんセンターで死去(享年79)。
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