円満な決着

先日の郵便局でのトラブルに関して、以下のように円満な決着を見ました。当方からの手紙とそれに対する郵便局長の回答を原文のままご紹介します。



前略ごめん下さい。

 市内に住む佐々木孝という者です。日頃から郵便局にはお世話になっておりますが、今回のことについては非常な憤りを感じています。幸い接触した職員の皆さん、それぞれ感じのいい方たちでしたが、けしからぬのは顧客に対する組織としての真のサービス精神の欠如でしょう。
 といって局長さんには何のことかさっぱりだと思います。私が管理するホームページでその経緯を報告していますので、同封のコピーをご覧下さい。念のためその趣旨を再度箇条書きにしますと、

 

  1. 民営化に伴う組織上の混乱をサービスの低下理由には絶対にしないこと。
  2. 休日など職員の対応が手薄になることが見越されるときは、両組織の連携プレーをぜひ考えていただきたい。
  3. 郵便振替取扱票などは以前のように常時ATM側のボックスに常備すること。


 以上よろしくご検討ください。


  三月三十一日 
                

佐々木 孝 

  原町郵便局長殿




佐々木孝様

 日頃、郵便局をご利用いただきありがとうございます。
 この度は、佐々木様に大変なご迷惑をお掛けいたしまして、誠に申し訳ありませんでした。深くお詫び申し上げます。
 この度、ご指摘の「郵便振替取扱票」の件については、現在ATMと反対側のチラシスタンドに常備しておりますが、3月30日(日)は、在庫切れとなっていたことがわかりました。今後は、毎日の点検補充を確実に行うとともに、ATM側に「郵便振替取扱票は後ろのスタンドにあります」の表示をすることにより、お客さまにご迷惑をお掛けすることのないよう改善を図りますので、今後ともご利用の程よろしくお願い申し上げます。
 また、サービスの低下でございますが、佐々木様のご意見のとおり、民営化になるならないに関わらず、サービスアップに努めるのが、私ども郵便局社員の責任と思います。会社間の連携をより密にして、お客さまサービスに努めて参りますので、ご理解お願い申し上げます。

平成20年4月2日

原町郵便局長 石山 裕

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佐々木 孝 について

佐々木 孝(ささき たかし、1939年8月31日 – 2018年12月20日)は、日本のスペイン思想研究者。北海道帯広市生まれ。2歳から引き揚げまでの5年間を旧満州で暮らす。1961年上智大学外国語学部イスパニア語学科在学中にイエズス会に入会。5年半の修道生活の後、1967年同会を退会、還俗する。同年上智大学文学部哲学科卒業。1971年清泉女子大学講師、助教授を経て、1982年教授となる。1984年常葉学園大学(現・常葉大学)でスペイン語学科の草創に参加。1989年東京純心女子短期大学・東京純心女子大学(現・東京純心大学)教授。その間、講師として専門のスペイン思想、スペイン語を東京外国語大学、駒澤大学、法政大学、早稲田大学などの大学でも教える。2002年、定年を前に退職、病身の妻を伴い福島県原町市(現・南相馬市)に転居。以後16年にわたり、富士貞房(ふじ・ていぼう、fuji-teivo、――スペイン語のfugitivo「逃亡者」にちなむ)の筆名で、専門のスペイン思想研究を通じて確立した人文主義者としての視点から思索をつづったブログ「モノディアロゴス(Monodialogos: ウナムーノの造語で「独対話」の意)」を死の4日前まで書き続けた。担当科目はスペイン思想、人間学、比較文化論、スペイン語など。作家の島尾敏雄は従叔父にあたる。 2018年12月20日、宮城県立がんセンターで死去(享年79)。
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