米軍御用達

今朝の毎日新聞ネット版にとんでもない記事が載っていた。日本の大学の研究者延べ128人がこれまで、正確に言うと2010年度以降の6年間、米軍から8億円超という莫大な額の研究費を「いただいて」研究を続けてきたというニュースである。また、10~16年度に京都大と大阪大の教授ら11人が米空軍と海軍から計約2億円の研究費を受けたことも毎日新聞の情報公開請求で判明したという。
 真っ先に思ったのは、これら研究者たちの識見の無さ、もっとはっきり言えば意地汚さである。

「教授らの研究分野は人工知能(AI)やレーザー技術など。米国防総省は14年に発表した技術戦略で、AIを搭載した無人兵器につながる自律型システムの重視を挙げた。また、レーザーは砲弾やミサイルに代わる新兵器に繋がるなど、米軍が将来兵器の技術として重視する分野と重なる。」

 つまりこれら研究者は確かに知能指数は高いかも知れないが、人間としての知恵力、思考力ゼロの頭でっかち人間と言わなければならない。目先の難問に挑戦するのはいいが、その先がどうなるか一切見えてないわけだ。いやもしかして見えてはいるが努めてみないようにしているのか。どちらしても足長おじさんは同盟国いやむしろ宗主国アメリカ合衆国(スペイン語圏では単にアメリカといえば中南米諸国を指すからあえて合衆国と念を押さねばならない)だからいい、と思っているのかも知れないが、テロリストにしろISにしろ使っている兵器はアメリカ製やロシア(あるいは旧ソ連)製であり、ハイテク兵器も即座に手に入る時代である。兵器売買に国境は存在しない。
 いずれにせよ、先日福島県浜通りロボットバレー計画を槍玉に挙げたように、ハイテク信仰の行く末は地球破壊・人類破滅への道であることをいい加減悟ったらどうだろう。

 おい、そこの部厚いレンズ眼鏡の教授さん(もしかして准教授?)、少しは人間としての良心を持ったらどう?(本当は、恥を知れ!と叫びたい)

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佐々木 孝 について

佐々木 孝(ささき たかし、1939年8月31日 – 2018年12月20日)は、日本のスペイン思想研究者。北海道帯広市生まれ。2歳から引き揚げまでの5年間を旧満州で暮らす。1961年上智大学外国語学部イスパニア語学科在学中にイエズス会に入会。5年半の修道生活の後、1967年同会を退会、還俗する。同年上智大学文学部哲学科卒業。1971年清泉女子大学講師、助教授を経て、1982年教授となる。1984年常葉学園大学(現・常葉大学)でスペイン語学科の草創に参加。1989年東京純心女子短期大学・東京純心女子大学(現・東京純心大学)教授。その間、講師として専門のスペイン思想、スペイン語を東京外国語大学、駒澤大学、法政大学、早稲田大学などの大学でも教える。2002年、定年を前に退職、病身の妻を伴い福島県原町市(現・南相馬市)に転居。以後16年にわたり、富士貞房(ふじ・ていぼう、fuji-teivo、――スペイン語のfugitivo「逃亡者」にちなむ)の筆名で、専門のスペイン思想研究を通じて確立した人文主義者としての視点から思索をつづったブログ「モノディアロゴス(Monodialogos: ウナムーノの造語で「独対話」の意)」を死の4日前まで書き続けた。担当科目はスペイン思想、人間学、比較文化論、スペイン語など。作家の島尾敏雄は従叔父にあたる。 2018年12月20日、宮城県立がんセンターで死去(享年79)。
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